アメリカ成長株:ヴァルモン・インダストリーズ(Valmont Industries)の概要
ヴァルモン・インダストリーズ
Valmont Industries Inc
ティッカーコード：VMI
上場市場：NYSE（ニューヨーク証券取引所）
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/VMI/annual
ヴァルモン・インダストリーズ社は、米国と南米、欧州など世界各地に８０の拠点を持つグローバルな金属加工製品メーカーで、農業とインフラの関連事業を展開しています。
同社の歴史は1946年に創業された小さな農業用機械メーカーから始まり、大規模な灌漑（かんがい：農業用水の供給）施設を手掛けるようになりました。
センターピボットと呼ばれる中心に設置した塔から伸びたアームを回すことで広大な円形状のエリアに水を撒く巨大な灌漑施設には、鉄塔、配管、メッキ、溶接の技術が必要となるため他社の買収も進めた結果、道路の電柱、街灯などのインフラ事業にも進出しました。
現在は以下の９つの分野にまで事業を拡大しています。
・照明（道路の街灯、運動施設の照明）
・交通（安全柵、防音壁）
・発電（再生可能エネルギーを含む変電所、配電）
・コーティング（金属メッキ、液体・粉末コーティング）
・格子（作業用足場のグレーチング、工場の分別用ふるい）
・灌漑（散水機、水管理システム）
・電気通信（ワイヤレス通信、電波塔、電波反射塔）
・金属製品（工業・民生用手すり、支柱、各種カバー、チューブ）
・建築（金属の目隠し板、日除けルーバー、天井・装飾外壁）
米国ではここに来て従来型の大規模農業が試練に見舞われています。
これまでは広大な土地に大量の水・肥料・農薬、大型の機械、労働力と時間をつぎ込み、結果としてそれなりに収穫があればよいという大雑把な手法をとってきました。
しかし、温暖化による干ばつ、地下水の枯渇、肥料の供給不安、労働力不足、燃料の高騰などの多くの災難が同時に降りかかることになったのです。
同社は、このような危機に対応するのに役立つ“スマート農業”と呼ばれる生産管理システムを提供していて、AIや機械によって水の節約、作業の効率化・自動化を実現します。
ワイヤレスで制御できる灌漑ポンプによって必要な時に必要な量だけ時間と手間をかけずに取水できるようになり、従来のようなあいまいな推量に基づく大まかな取水からは大きく進歩しました。
近年、米国では干ばつによる水不足が深刻で、各地で地下水の使用規制が進む事態までになっていて、農家は大胆な水資源の節約を迫られています。
水の使用削減は温室効果ガスの排出削減と同じくらいの重要さを持つようになってきたのです。
同社は詳細な地下構造のデータのマッピングから正確な地下水の貯留容量を評価して地域別に持続可能な水資源の利用計画を策定します。
また、同社の精密灌漑システムは作物や土地の温度、天候、水分の状態を監視し、与える水分を正確に制御することで必要最低限の水で最適な状態に維持することができます。
米国は世界有数の農業生産大国で日本も含め多くの国が依存しており、今後も今までのような農業生産量を維持できるかは同社のような灌漑技術にかかっていて、世界中の多くの人々の食を支える重大な使命を担っていると言っても過言ではないでしょう。
会社ウェブサイト
www.valmont.com
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