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アメリカ成長株: トロノックス(Tronox):白色の顔料である「二酸化チタン」の世界最大のメーカー

鉱工業

アメリカ成長株: トロノックス(Tronox)の概要

トロノックス
Tronox Ltd
ティッカーコード:TROX
上場市場:NYSE

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/TROX

今回紹介するトロノックス社は、素材提供会社です。非常に古い会社ですが、その技術力により、世界シェアを握っている会社です。

トロノックス社が作っているのは、「顔料」それも「白」の顔料です。世の中のあらゆる印刷には、「白」が必要です。この白の顔料には「二酸化チタン」が使われています。同社は、顔料用の二酸化チタンの世界シェアNO1の会社です。

また顔料以外にも、チタン鉱(チタン合金の原料)やジルコニアの生産者でもあります。ジルコニアのシェアは2位、チタン鉱は3位となっています。チタン合金は軽い、腐食しない、強度が強い、という特徴を持つため、飛行機、人口関節、高級自転車のボディー、釣り具等々・・非常に幅広い用途で使われています。

ところで、日本には昔「足尾鉱毒事件」というのがありました。鉱物の取り扱いには、どうしても人体・自然に悪影響を与える物質が出ます。しかし、一方でその生成物は、人類にとって恩恵をもたらすため、メリットとデメリットが混在します。そして、デメリットを解決する新しい技術が開発されることで、次のステージに移れます。

同社の歴史も「成功」と「苦難」の歴史でもあります。
会社の歴史は1873年から始まり、様々な変遷を経て、親会社であったKerr-McGee社から2005年に分社・独立し、上場しました。しかし、1920年代にまでさかのぼる環境汚染(同社が独立する前に発生した問題で、Kerr-McGee社としての負債)の多くを秘密裏に引き継き、その負債が表面化したことで株価は大暴落、ついに2009年に破綻しました。
その後、2011年に再度会社を作り直し、現在に至っています。

この数年同社が行っていることは、「原材料提供企業および精錬施設の買収」です。
まず原料調達についてですが、2006年に南アフリカのExxaro Resources社、2019年にサウジアラビアのCristal Global社、2020年にノルウェーのTiZir Titanium and Iron社を買収しました。また、2018年にAdvanced Metal Industries Cluster Companyより、サウジアラビアのジーザーン市(紅海沿いにある都市)にあるチタン精錬工場を購入しています。

現在同社の売り上げは、2019年には26億ドル、利益は1億ドルの赤字でした。さらに、で、コロナにより需要が減少し、2020年Q2は対前年30%もの大幅な減収となりました。

しかし、2020年Q3は、Q2から17%もの増収となり、リバウンドが明確になってきています。アフターコロナの世界経済回復=設備投資・消費の回復が、今後本格化します。同社の製品への需要も、パラレルで増加することが期待されています。世界規模の景気敏感株として、注目したい成長企業です。

会社ウェブサイト
https://www.tronox.com/

 

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