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アメリカ成長株:ジェンサーム(Gentherm):冷暖房・換気装置メーカー

産業機械

アメリカ成長株:ジェンサーム(Gentherm)の概要

ジェンサーム
Gentherm Inc
ティッカーコード:THRM
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/THRM/annual

ジェンサーム社の事業は30年以上前に車のシートヒーターから始まり、現在は冷暖房・換気の空調設備、医療用の体温管理装置、バッテリーの熱管理システムまで拡大しています。

シートヒーター・クーラーやステアリングヒーターは高級車以外にはあまり普及しておらず冬の必須アイテムまでにはなっていませんが効果は絶大で、エアコンで車内の気温を上げるより素早く体を温められます。
空気を介するよりも直接肌に触れる物からの方が熱を伝えやすいという簡単な原理ですが、過剰な冷暖房の使用が控えられて燃料の節約にもつながります。
昔は高級車にだけ装備されていたオプションが今は一般車にも普及しているという例は数多く、シートヒーターもその傾向にあり今後は標準装備になっていく可能性も十分にあります。

体温を上げたり下げたりする技術は医療分野にも需要があります。
同社製の医療用のヘッドラップ、ベスト、下半身ブランケットは異常に体温が上昇する高体温症の場合に患者の体を効率よく冷却できます。
全身を包んで温める温風機や加熱・冷却パックは正常体温に保ち、温熱・冷却療法装置は手術・負傷部位の炎症や痛みを抑えます。

温度管理の技術はバッテリーの性能向上にも有効です。
EV(電気自動車)に搭載されているバッテリーは、低温・高温どちらの状況でも性能と耐用年数に悪影響を受けます。同社が提供するバッテリー温度管理システムはバッテリーの温度・電圧などを常にチェックしながら最適な温度に保ちます。

冬季にバッテリーが低温になった場合はヒーターエレメントによって温め、放電・充電で加熱した場合はバッテリーを空冷・水冷・熱電により冷却することで航続距離とバッテリー性能が向上し耐用年数が延長されます。

近年脱炭素の流れから世界で広まりつつあるEVですが、航続距離や充電環境の問題がネックとなっていて、昨年の米国での新車販売でもEVの占める割合が6%ほどに留まり、EV大国と言われる中国でも2割、環境重視の欧州でも1割程度となっています。

ヒーター・クーラーやバッテリー関連の同社の技術はEVの電力消費を抑えて航続距離を伸ばし性能向上に寄与するもので、今後EVを普及させていく上で重要な技術です。

同社の自動車空調システムは温度調節する空間を車内全体ではなく乗っている人の周辺に限定することによってエネルギー消費を最大85%削減することに成功しています。
同社が実現した空調の省エネルギー化とバッテリーの性能向上は、単なる温度管理システムというだけでなく、結果として環境負荷の抑制に貢献するもので、近年の気候変動の影響を受けて注目されている環境関連の企業としても今後が期待できそうです。

会社ウェブサイト
www.gentherm.com

 

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