アメリカ成長株:タイドウォーター(Tidewater)の概要
タイドウォーター
Tidewater Inc
ティッカーコード：TDW
上場市場：NYSE（ニューヨーク証券取引所）
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/TDW/annual
タイドウォーター社は、海洋エネルギー開発をサポートする海運や関連するサービスを提供していて、米国中心に世界30カ国以上で活動するグローバル企業です。
主な取引先は石油・ガス産業で、海洋での探査・開発・生産活動を支援しています。
これには作業員と物資の輸送、移動式リグ（掘削装置）の曳航と固定、海上建設、防火・耐震工事、ケーブル・パイプの敷設、汚染防止などが含まれています。
また、こうした海上でのサポート技術を生かして洋上風力発電の開発から保守までを請け負う事業も展開しています。
海上での風力発電には、巨大なブレードや関連設備の輸送・設置・メンテナンスなどの特殊な技術が必要です。
さらに海底送電ケーブルや洋上変電設備も設置しなければなりませんが、これら全てが同社の専門分野であり、海洋でオペレーションを遂行する機材、豊富な経験、専門知識を存分に活かすことができます。
最近同社はSwire Pacific Offshore社の買収によって事業拠点を拡大し、作業員運搬船・タグボート・整備船を含むオフショア支援船（OSV）を50隻追加して世界最多の203隻を保有することになりました。
脱炭素が進む中、石油やガスのような化石燃料の採掘は相変わらず続いており、発電・輸送・暖房などの燃料やプラスチック・医薬品などの原材料として欠かせない状態はあまり変わっていません。
それどころか、ロシアのウクライナ侵攻による影響で、石油・ガス価格は上昇傾向にあり、陸上での採掘に比べてコストがかかる海洋採掘であっても促進される可能性が高まっています。
しかし、長期に渡って石油・ガス価格の上昇や高止まりが続くと、代替エネルギーへの切り替え圧力が高まり、再生可能エネルギーがより一層促進されることになります。
洋上風力発電は海洋再生可能エネルギーの中では最も有望とされていて、世界各地で建設プロジェクトが進行しています。
地形の影響を受けず風力や風向が安定している洋上風力発電は陸上に比べて、土地や道路の制限がなく、船舶による海運が可能で巨大な風車を建設しやすく、騒音問題を生じないなどのメリットがあります。
最近の気候変動の影響による自然災害の増加は、化石燃料から再生可能エネルギーへの転換を加速しています。
しかし、山林を切り開いて建設するメガソーラーや巨大なブレードが回転する風力発電は周辺の環境破壊や災害・騒音の元となり各地で問題となっています。
海洋再生可能エネルギーは、そういった環境問題を引き起こさない上に二酸化炭素を排出しないクリーンなエネルギーとしても有望です。
現在同社の事業は海洋での石油・ガス開発のサポートが中心ですが、徐々に縮小していくとしても、海洋再生可能エネルギーがその穴を埋めるように伸びていくことが期待されます。
風力の他にも、潮力、波力、温度差など海の持つエネルギーを利用した発電方法が開発されており、海洋エネルギーの中心が油田から再生可能エネルギーにシフトしていく中においても、同社の海洋でのオペレーション技術は活かされていくことになるでしょう。
会社ウェブサイト
www.tdw.com
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