アメリカ成長株:シルバーゲート・キャピタル(Silvergate Capital)のアップデート
シルバーゲート・キャピタル
Silvergate Capital Corp
ティッカーコード:SI
上場市場:NYSE
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/SI
FRBの金融引き締め政策のスタートにより、株式市場が波乱となっています。そして、仮想通貨も同様にかなり厳しい状況です。株式市場全体が弱く、仮想通貨も弱いため、仮想通貨関連銘柄はダブルの売り圧力を浴びています。
2021年7月に紹介したシルバーゲートキャピタルは、デジタル通貨(暗号通貨、仮想通貨など)に特化した銀行です。
→ シルバーゲート・キャピタル(Silvergate Capital)の概要
2021年7月に紹介した時点での株価は約100ドルでしたが、その後株価は急騰し2021年11月22日には240ドル近くになりました。しかし、その後急落しており現在は再び100ドル近辺で取引されています。
しかし、デジタル通貨を取り巻く環境は好転しています。これまでの「新しいもの好きの個人の投機対象」から「機関投資家が投資対象とするアセットクラスの一つ」へと変わりつつあるからです。
デジタル通貨の認知度の向上に合わせて同社の決算内容も好調が持続しています。
2022年1月18日に発表された2021年第4四半期の決算内容は、以下のような数字でした。(成長率は対前年同期比比較)
・デジタル通貨の取引額(SEN*):+480%
* SEN=Silvergate Exchange Network
・デジタル通貨担保ローン額(SEN leverage):+592%
・デジタル通貨の顧客数:+43%
・手数料収入:+222%
・純利益:+190%
デジタル通貨を送金する。デジタル預金として受け入れる。さらに預金として受け入れたデジタル通貨を担保として米ドルで貸付を行う。支払・融資ともに、24時間×365日いつでも行える。このような同社のサービスは、新しい顧客を巻き込みながら急成長を続けています。
ところで、日本国内でデジタル通貨を取引する場合、税金の問題が大きな障害となっています。利益が20万円を超えると申告が必要で、さらにリターンは雑所得となります。最高税率は45%です。どのデジタル通貨が良いのか?という心配もあります。
この点、シルバーゲートの場合には、普通の米国株式なのでキャピタルゲインについては20.315%の申告分離課税です。さらに担保をするデジタル通貨については、プロがチェックしています。株価は短期的にはデジタル通貨の相場に連動し、長期的には銀行業からの手数料収入の上積みが期待されます。
もちろん、デジタル通貨は非常にボラティリティの高いアセットクラスです。この数か月のようにデジタル通貨の相場が暴落したときには、(業績はともかく)株価的にはマイナスの影響を受けます。
まず主要ビジネスであるSENについては、純粋な手数料ビジネスですので、直接の影響はありません。デジタル通貨のボラティリティが上がることで、取引量が増える可能性もあります。しかし、デジタル通貨を取引している人の「財布が痛む」ため、取引量が減少する可能性があります。
SENレバレッジ(担保ローン)は、より直接的なリスクがあります。デジタル通貨が大暴落した場合、担保にしているデジタル通貨の価値が急落するため、最悪の場合には担保割れとなります。ローンが焦げ付いた場合、担保売却で回収できないリスクが発生します。(バブル崩壊後の不動産担保ローンと同様)しかし、その場合でも、デジタル通貨そのものを投資している投資家より、担保のマージンがあるため(通常、貸付額をかなり上回る担保を取っている)、ある程度ショックを吸収できます。
事業の中身=事業自体で収益がでること、さらに日本の税制を考慮すると、デジタル通貨で投機するより、シルバーゲートに投資する方がかなり割りの良いゲームでは?と思います。
会社ウェブサイト
https://www.silvergatebank.com/
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