アメリカ成長株:ショールズ・テクノロジーズ(Shoals Technologies)の概要
ショールズ・テクノロジーズ・グループ
Shoals Technologies Group Inc
ティッカーコード:SHLS
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/SHLS
地球環境保全のための再生可能エネルギーが促進される今、太陽光発電はその象徴的な存在になっています。
米国での太陽光発電は、環境重視のバイデン政権が様々な助成制度を進めたことから普及率が上昇していますが、コストが高いという問題があり当初に比べれば下がってはきたものの依然として高い水準にあります。
さらなる太陽光発電の普及はどれだけコストを下げられるかにかかっていますが、太陽光パネルの価格は下げ止まりの傾向があります。
そこで目が向けられるようになったのが太陽光発電には欠かせない“EBOS(electrical balance of system)”と呼ばれる電気バランスシステムです。
EBOSは太陽光パネルが作った直流電気を集めて交流に変換し送電線に送る重要な役割を果たす部分です。
設置・配線作業には専門の資格を持つ電気技術者が必要でEBOSがコストを押し上げる要因の1つとなっていました。今回紹介するショールズ・テクノロジーズ社はEBOSを効率化・簡素化するための配線のコネクター、配電盤、相互接続システムなどを開発し世界中の顧客に提供しています。
従来の配線は剥き出しの電線を扱うような特別の技術が必要で危険を伴う作業でしたが、同社が開発したプラグアンドプレイコネクタは専門業者でなくても簡単に抜き差しするだけで済む画期的なもので業界初の技術です。
プラグアンドプレイはパソコンのメモリやストレージの増設のように配線の圧着や接続後の調整が不要で高賃金の有資格者を雇わなくてもよいため、人件費・時間・手間がかかずコストダウンに大きく貢献します。
様々な助成策によって急速に拡大した太陽光発電ですが、環境政策は時の政権の意向次第で変化するもので、この先も再生可能エネルギーが優遇されるかどうかは不透明です。
いつまでも政府の助成に頼るわけにはいかず、いずれは市場原理にさらされることになってコストダウンの圧力はさらに高まっていくのは確実です。
太陽光パネルの価格はここ10年で5分の1近くまで下がりましたが、最近は下げ止まりしていることからEBOSのコストがシステム全体に占める割合は7割まで上昇していて、パネル以外の部分のコストダウンが重要になっています。
二酸化炭素排出削減と環境保護のため期待が大きい太陽光発電ですが、日中、晴天時しか発電できない上に天候に左右されやすく不安定で需要に合わせて制御できないというコスト以外のもう一つの弱点があります。
これを補うには電気が余る時間に貯めて不足した時に給電する蓄電システムが必要となりますが、レアメタルを使う高価なリチウム電池の価格が下がらないため導入は太陽光発電ほど進んでいません。
結局はコスト問題に戻ってしまうわけですが、同社は太陽光のための蓄電システムを効率化するEBOSの事業も進めていて、蓄電池本体以外のコストを下げることで導入の後押しをしています。
太陽光発電をベースロード電源並みに持っていくためには、太陽光発電と蓄電システムのコストダウンを同時に進めなければならず、両方に貢献できる同社のEBOSの技術が果たす役割は今後さらに大きくなっていくでしょう。
会社ウェブサイト
www.shoals.com
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