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アメリカ成長株: アクソニクス(Axonics):排泄トラブルを改善する電気刺激装置を開発・販売

ヘルスケア・バイオ

アメリカ成長株: アクソニクス(Axonics)の概要

アクソニクス・モジュレーション・テクノロジーズ
Axonics Inc
ティッカーコード:AXNX
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/AXNX

人間誰しも歳を重ねると体のいろんなところの栓が緩んでくるもので、トイレの回数が増えたり、我慢できない強烈な尿意が突然きたりするなど、頻尿や切迫性尿失禁の症状に悩まされるようになります。

加齢に関係なくこうした排泄のトラブルが起きることがあり“神経因性膀胱”と呼ばれています。
膀胱・腸は神経を介して脳とつながっていてコミュニケーションを取っていますが、この神経に異常が起こることが原因となります。

脳卒中、糖尿病、脊髄損傷、パーキンソン病、多発性硬化症などの別の病気やガンの手術による神経障害で併発する場合がほとんどです。

神経因性膀胱は頻尿や切迫性尿失禁だけでなく、逆に尿が出なくなる“尿閉”や便失禁を伴う腸機能障害を引き起こします。脳と膀胱・腸をつなぐ神経は、お尻の中央の少し上にあって骨盤と背骨をつないでいる“仙骨”を通っていますが、この神経を人工的に電気で刺激すると排泄障害を改善することができます。

今回紹介するアクソニクス・モジュレーション・テクノロジーズ社は、臀部に埋め込んだ装置によって仙骨神経を電気で刺激するシステムを開発・設計しています。
この方法は“仙骨神経刺激療法”と呼ばれていて、埋め込まれた神経刺激装置を外部のリモコンによって無線操作することで患者が感じる尿意・便意をボタン1つで上げたり下げたり自分の意志でコントロールできます。

膀胱や腸の過活動に悩まされる患者にとっては夢のような装置ですが、この方法には
・神経刺激装置を手術によって体内に入れる必要がある。
・素材に対するアレルギー反応が出ることがある。
・感染症を引き起こすことがある。
・効果には個人差がある。
・医療機器や携帯電話が出す電磁波の影響を受ける。
・空港などのセキュリティチェックに引っかかるようになる。
など注意すべきポイントもあります。

人によっては効果がほとんどない場合もあるため、電極だけを簡単な手術で差し込んで1,2週間ほどテストしてみて効果が認められたら装置本体の埋込手術を実行します。

患者の症状に合わせて定期的に通院して調節を繰り返す必要がありますが、うまく作動すれば日常生活を取り戻し安心して社会参加できるようになります。

排泄のトラブルは精神に深刻なダメージを与えるもので、自尊心の低下、不安や自己嫌悪につながり、外出を避け引きこもりがちになるなど、QOL(生活の質)に大きく関わる問題となります。
下の話なので他人に大っぴらに言えないところがあり、その解决は患者にとって大きなもので、人生を取り戻せると言っても過言ではありません。

仙骨神経刺激療法は、欧州では1994年、米国では2011年から導入が進んでいる方法で、日本でも2014年から保険適用になるなど徐々に浸透してきていて市場は拡大傾向にあります。

ただし、異物を体内に入れるため体が馴染まずに痛みが継続する場合がある、バッテリーを交換する必要があるという改善すべき問題もあり、装置の小型化や電池の長寿命化など開発の余地もまだ残されていて、同社の今後の開発に期待したいところです。

会社ウェブサイト
www.axonicsmodulation.com

 

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