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アメリカ成長株:ウルトラジェニックス・ファーマシューティカル(Ultragenyx Pharmaceutical):重篤な希少疾患のための新しい治療薬を開発

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アメリカ成長株: ウルトラジェニックス・ファーマシューティカル(Ultragenyx Pharmaceutical)の概要

ウルトラジェニックス・ファーマシューティカル
Ultragenyx Pharmaceutical Inc
ティッカーコード:RARE
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/RARE/annual

ウルトラジェニックス・ファーマシューティカル社は、重篤な希少疾患のための革新的な治療法の提供を目指すバイオ医薬品会社です。
現在の開発薬リストには8つの遺伝子治療薬と核酸治療薬をはじめ、モノクローナル抗体、酵素補充療法、基質補充療法を使った治療薬候補が全部で13あり、そのうちの4つはFDAの承認済みです。

同社は特に遺伝子・核酸治療薬の開発に注力していて、この分野におけるリーディングカンパニーを目指しています。

・遺伝子治療薬とは
体内でタンパク質はDNA上の遺伝子の情報を元に作られますが、外から遺伝子を細胞に導入することで、病気を改善する働きをするタンパク質を作らせます。
遺伝子を導入するベクターと呼ばれるウイルスには何種かあり、同社はAAV(アデノ随伴ウイルス)を使っています。
主に遺伝子異常で正常なタンパク質が作られない患者の体内に正常なタンパク質を補うために使われます。

・核酸治療薬とは
DNA上の遺伝子からタンパク質を作る際に、遺伝子がメッセンジャーRNAにコピーされますが、核酸治療薬にはメッセンジャーRNAからタンパク質が作られる段階を妨害する効果があります。
治療薬自体がDNAやRNAであるため核酸治療薬と呼ばれていて、標的のメッセンジャーRNAだけに作用する配列を持っています。
主に異常なタンパク質や過剰量のタンパク質を作らせないようにするために使われます。

同社の開発が遺伝子・核酸治療薬を中心としているのは、希少疾患の原因が遺伝子の異常である場合が多いからです。
遺伝子・核酸治療薬の中でそれぞれ一番臨床試験が進んでいるのは、UX111とGTX-102です。

UX111は、進行性認知症、乱暴な行動、活動過剰な問題行動、呼吸器官感染症などを引き起こすサンフィリッポ症候群 A 型 (MPS IIIA) のためのAAVタイプの遺伝子治療薬です。
現在、臨床試験の最終段階にあり、FDAによるファストトラック指定(承認プロセスの迅速化)を受けています。

GTX-102は、発達遅延、コミュニケーション障害、平衡感覚の問題、運動障害、不安、睡眠障害などを引き起こすエンジェルマン症候群のための核酸治療薬で、現在は三段階ある臨床試験の第二段階にあります。

同社はAAV製造のためのPinnacle PCLというプラットフォームを持っており、遺伝子治療薬の製造技術に強みがあります。
これによってワークフローを簡素化し、材料費のコストを下げ、製造速度・品質・収量を向上させることで、従来のAAV製造よりも高い効率性と生産性を実現しています。
AAVは病原性が低く免疫の攻撃を受けにくいため、遺伝子を細胞に導入するベクターの中では安全で使いやすく、その信頼性から広く使われていて主要な方法になりつつあります。

遺伝子・核酸治療薬は革命的な治療法として期待されていますが、高度な製造技術や設備が必要で、製造コストが高く、医療費の高騰を招くという課題があり、同社のPinnacle PCLのようなコストダウンに役立つ技術が求められています。

同社が希少疾患の治療薬を狙う理由には、まず治療薬の開発が進んでいない場合が多く、苦しんでいる患者がいることがあります。
また逆に市場競争が進んでいない分、競合他社が少ないため価格設定がしやすく、投資回収が比較的に容易であるという点も重要です。

最近は新規開発を控える製薬会社も出てくるほど研究開発に莫大な費用がかかることが問題となっています。
開発企業としての経済合理性の追求と、重篤な症状に苦しむ患者を救う社会的使命を両立させなければならず、同社の戦略はそういう意味で理にかなっていると言えるでしょう。

会社ウェブサイト
www.ultragenyx.com

 

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