2022年12月末での、日本で利用できる米国小型成長株に投資する投資信託のパフォーマンス比較をしました。
要点は以下の通りです。
1)2022年12月の米国株式は、米国の景気後退に一段と焦点が集まり厳しい動きとなりました。不景気に対する抵抗力が脆弱な小型成長株は、主要インデックスに比べさらに弱い動きとなりました。
結果的に、ベンチマークとなるラッセル2000グロースは、円建て-7.65%、ドル建て-6.42%となっています。
(円建ては、対象投資信託と同じく、前日の米国終値を月末の為替で評価して計算)
2)ラッセル2000グロースおよびラッセル2000をベンチマークとする投資信託は以下の3つです。SBI:SBI米国小型成長株ファンド(グレートスモール)
BR:ブラックロック米国小型成長株式オープンAコース(為替ヘッジなし)
SMAM:三井住友DS-米国小型ハイクオリティファンド(資産成長型)
3)最近の動き
2022年12月は、SMAM、ブラックロック、SBIの順でした。
(円建てリターン) 2022年12月末
投資信託
(注1) |
過去1ケ月 | 過去6ヶ月 | 過去1年 | 過去3年 | 過去5年 |
(実数) | (実数) | (実数) | (年率) | (年率) | |
R2000G | -7.65% | 0.58% | -15.19% | 7.07% | 6.32% |
SBI | -8.80% | -0.71% | -24.86% | 10.45% | – |
BR | -7.44% | 1.52% | -13.75% | 7.13% | 7.99% |
SMAM | -6.71% | 0.58% | -6.69% | 11.25% | 9.24% |
R2000G:ラッセル2000グロース:ベンチマークです。
4)中長期的なパフォーマンス (過去3年・5年)
過去3年トラックレコードでは、SMAM、SBI、ブラックロックの順となっています。
SBIのファンドは5年のトラックレコードはまだ出ていませんが、参考となる米国内のファンドのリターンはかなり良好で、対ベンチマークで10%近いアウトパフォームをしています。
(注)手数料体系が国内籍ファンドと米国籍ファンドでは異なります。また、為替の影響もあるため、あくまで「長期的な傾向をつかむ」ための参考情報として見てください。
5)米国小型成長株ファンド VS SP500
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年以来32%~38%の持ち合いが継続していましたが、2020年2月末では41%近くまで急上昇しました。しかし、3月以降は一貫して「負け」ています。
2022年7月以降下落が止まっていますが、依然として小型成長株は「相対的」に、2020年春のコロナショックも下回る、歴史的な割安水準となっています。
また、長期的な視点でみれば、(この1年間は大負けしていますが)、アクティブ運用のファンドの中には大勝しているものがあります。
SBI米国小型成長株と同じ戦略であるドリーハウスの米国小型成長株は、過去5年以上の期間ではSP500に対して、大幅なアウトパフォームをしています。
さらに、現在の小型成長株の水準は全体として非常に魅力的な買い場を提供しています。SP500のインデックスファンドからの乗り換えを行うタイミングとも言えます。
(参考情報:ドル建てリターン) 2022年12月末
投資信託
(注3) |
過去5年 | 過去10年 |
(年率) | (年率) | |
R2000G | 3.51% | 9.20% |
SBI-DH | 13.63% | 16.21% |
SP500 | 9.42% | 12.56% |
VSP500 | 9.38% | 12.52% |
SBI-DH: Driehaus US Small Cap Growth Investor Class (DVSMX)
(SBI米国小型成長株ファンドと同じファンドマネージャーが、同じ投資戦略で運用しているファンドです。)
VSP500 : Vanguard 500 Index Fund Investor Shares (VFINX)
(ヴァンガード社が米国で運用しているSP500のインデックスファンドです。)
データソースはこちら
→ SBIの米国小型成長株(グレートスモール)を運用しているドリーハウス社のウェブサイト
→ ヴァンガード社のウェブサイト
(参考情報)
→ SP500 VS ラッセル2000 この2年間
→ 過去の投資信託リターンデータ
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