アメリカ成長株:イナリ・メディカル(Inari Medical)のアップデート
イナリ・メディカル
Inari Medical Inc
ティッカーコード:NARI
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/NARI
イナリ・メディカルについては、以前一度紹介しました。下記のページも参照ください
→ イナリ・メディカルの概要
イナリ・メディカル社は深部静脈血栓症や肺塞栓症で生じる血栓を外科的な手法で取り除くカテーテルを製造・販売しており、新型コロナウイルスが引き起こす血栓症の治療にも役立つ可能性があることを以前の記事で紹介しましたが、実際に重症患者の治療に活躍し、しかも医療崩壊を防ぐ重要な役割を果たしているようです。
コロナに感染しても多くの人は無症状か軽症であるのに世界中でこれほどの大問題になっているのは、感染爆発が起こると一定割合の重症患者が一気に増えて病床を埋め尽くし医療崩壊を招いてしまうためです。欧米に比べて感染者数が桁違いに少ない日本でも、このところのコロナの第三波の感染拡大に直面して医療現場がひっ迫し医療崩壊が始まりつつあります。
医療崩壊は、急増する患者数が病床数を越えてしまって本来治療すべき患者が放置されるような状態を指しますが、単純にベッド数を増やせば解決する問題ではありません。
容態が急変しやすいコロナの治療には通常よりも多くのスタッフが必要で、ベッド数を増やしたらその何倍ものスタッフを集める必要がありますが、ベッドのような物品とは違って医療人材はすぐには用意でません。つまり医療崩壊を防ぐためには、今あるベッドを素早く開けて回転率を上げる方が現実的なのです。
コロナの重症化の多くは暴走した免疫が血管の細胞を攻撃した結果の血栓症によって引き起こされますが、血栓に対する処置は血栓溶解薬を使って徐々に溶かすのが一般的で、1~2日という長時間に渡ってICUのベッドを占有してしまいます。ここで血栓溶解剤の代わりに同社のカテーテルを使えば、短時間で血栓を除去し次の患者のためにベッドを早急に開け渡すことができます。
米国ではコロナ感染と関係なく年間約90万人が深部静脈血栓症と肺塞栓症の治療を受けていますが、同社のカテーテルがICUでの処置時間を大幅に短縮し、間接的にもコロナ禍での医療崩壊を防ぐことに貢献しているそうです。
最新の技術を使ったワクチンや治療薬ばかりが注目を集めがちですが、同社の血栓除去カテーテルのような一見ローテクにも見える技術がこのような形で陰ながら活躍していることも事実なのです。
会社ウェブサイト
www.inarimedical.com
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