アメリカ成長株:マラバイ・ライフサイエンシズ(Maravai LifeSciences)の概要
マラバイ・ライフサイエンシズ・ホールディングス
Maravai LifeSciences Holdings Inc
ティッカーコード:MRVI
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/MRVI
マラバイ・ライフサイエンシズ・ホールディングス社の事業は
・PCR、遺伝子編集、塩基配列の決定、ワクチン製造、その他のバイオテクノロジーのためのDNAやRNAなどの製造
・ガン研究のためのタンパク質の蛍光検出
・新規の治療薬やワクチンの臨床試験前の不純物分析
の3部門で構成されています。
昨年の4月には同社傘下のトリリンク・バイオテクノロジーズ社がインペリアル・カレッジ・ロンドン(英国の公立研究大学)と新型コロナウイルスのワクチンに使用するRNAの製造において業務提携したことが発表されました。
このRNAを使ったワクチンにはウイルスのタンパク質の一部の設計図が書かれたRNAが含まれていて、体内に入るとこのタンパク質が作られて抗原となり免疫がつくという仕組みです。RNAワクチンはすでにファイザー社やモデルナ社から先行して提供され世界各地で接種が始まっています。
インペリアル・カレッジ・ロンドンが開発するRNAワクチンは“自己増幅RNAワクチン”と呼ばれるもので、体内に入ったRNAが増えるように設計されているという点で先行するRNAワクチンとは異なっています。
RNAが増えるので少量のRNAでも効果を発揮できるという長所を持っています。
この特徴を活かして、より安価に、より多くの人々にワクチンを提供できれば、現在のパンデミックの収束に大きく貢献していくことになるでしょう。
RNAワクチンは抗原となるタンパク質の設計図という“情報”であり、ウイルスそのものを弱毒化もしくは不活化した抗原そのものである従来のワクチンとは根本的に違います。この新技術を使った“情報型”のワクチンが成功すれば、今後ワクチンは“物”から“情報”へシフトしていくことになるでしょう。
“情報型”のワクチンはウイルスそのものを入手したり増やしたりしなくても製造・開発が可能なので様々な状況に素早く対応できます。
コロナの変異種が出てきているという情報が出回り不安が広がっていますが、RNAワクチンのような情報型にとってそれほどの脅威にはならないと考えられます。
変異種が出現したとしてもRNAの情報を書き換えるだけで済むので、6週間もあれば変異型に対応したワクチンを新造できるそうです。現在では生物学と情報科学が融合したバイオインフォマティクスという融合分野も出てきているように創薬やワクチン開発においても“情報”の重要性が増していて、同社が製造するような DNAやRNAなどの情報分子のニーズが高まっています。
今回の新型コロナウイルスの大流行によって、現在のグローバル化社会がいかに感染症に脆弱であるか思い知らされワクチンの重要性が再認識されましたが、この状況はワクチンの開発・製造に欠かせない技術の事業を展開する同社にとってはさらなる追い風となっています。
会社ウェブサイト
www.maravai.com
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