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アメリカ成長株:イベリック・バイオ(IVERIC bio):加齢黄斑変性症の治療薬を開発

アメリカ バイオ ヘルスケア・バイオ
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アメリカ成長株:イベリック・バイオ(IVERIC bio)の概要

イベリック・バイオ
IVERIC bio Inc
ティッカーコード:ISEE
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク:
https://finance.yahoo.co.jp/quote/ISEE/annual

イベリック・バイオ社は加齢や遺伝的要因で発症する網膜疾患である加齢黄斑変性症(AMD)のための治療薬を開発しています。

黄斑は網膜の中心部にある黄色の組織で、目の機能に重要な役割を果たしていますが、炎症や加齢、喫煙、食事、遺伝などの要因によって障害が起きることがあり、視力が大幅に低下して失明することもあります。
加齢黄斑変性症を引き起こす炎症の原因を詳しく調べると、いくつかのタンパク質が関わっていることが分かりました。

同社はその中の“補体成分5C”と“HtrA1”と呼ばれるタンパク質を標的にして機能を抑える阻害剤を開発し、抗炎症剤として網膜疾患の治療につなげることを目指しています。

現在、補体成分C5阻害剤であるZimuraと、HtrA1阻害剤であるIC-500が開発の中心となっています。Zimuraは臨床試験が最も進んでいて、フェーズ3の最終段階を終えてFDAレビューに入っていますが、IC-500はまだ前臨床試験の段階にあります。

Zimuraは“アプタマー”という近年開発が盛り上がってきた技術を使ったユニークな薬剤です。
アプタマーとは、DNAやRNAのような核酸を利用して標的となるタンパク質や分子を捕らえるものです。

DNAやRNAは情報を運ぶ分子というイメージがありますが、立体構造を持つ分子であることに変わりはなく、塩基配列に従った多様な構造を取ることができます。
この中から病気の原因となる標的の分子と結合するものを選び出せば治療薬として利用できるアプタマーが得られます。

アプタマーは別名で“合成抗体”や“核酸抗体”とも呼ばれていて、標的の分子に選択的に結合するという点では抗体とほぼ同じ働きをします。
抗体に代わる、もしくは補足する役割としてアプタマーは期待され近年開発が盛んになっています。
まだ数は少ないものの、眼疾患、心臓病、腎臓病などの治療薬として実用化もされています。

アプタマーはランダムな塩基配列を持つ無数の種類のアプタマーのプールの中から標的分子と結合するものを釣り上げる実験手法で選び出されますが、標的分子の詳細な立体構造が分かっていればコンピューターで設計することも可能です。

抗体と比べると以下の点で優れています。
・化学合成で作るため短期間で開発・製造できる。
・品質が安定していて保存期間も長い。
・体内で分解されやすいが別の分子を付加することで分解をコントロールできる。
・抗原性が低く免疫の攻撃を受けないため薬効の低下やアナフィラキシーショックを起こさない。ZimuraはRNAアプタマーに属するものですが、RNAと言ってもメッセンジャーRNAワクチンのように体内でタンパク質を作る設計図として働くのではなく、単純に標的分子に結合して働きを抑える役割だけを持っています。

臨床試験ではZimuraのによって症状の進行が抑えられることが示され、今年の2月にはFDA(アメリカ食品医薬品局)が同社の新薬申請を受理したことが発表されました。

ZimuraやIC-500には期待もかかっていますが、残念ながらこれらは症状の進行を抑えることを目的としており、治療そのものには至っていません。
失われた網膜の細胞は二度と再生しないため、将来的にはiPS細胞を使った臓器再生のような根本治療ができるようになることが望まれています。

会社ウェブサイト
https://ivericbio.com/

 

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