アメリカ成長株：ハロザイム・セラピューティクス(Halozyme Therapeutics)の概要
ハロザイム・セラピューティクス
Halozyme Therapeutics Inc
ティッカーコード：HALO
上場市場：NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/HALO
ヒアルロン酸は体内に豊富に存在していて水分保持、関節の潤滑作用、衝撃吸収などの役割を持っていて、これを利用した美容医療や整形外科の治療が広く行われていることもあり、世間的にもよく知られている物質です。
ヒアルロン酸は体の役に立っている一方、ガン細胞の周囲に蓄積し、その増殖、運動、生存にも深く関わっていて、厄介なことに抗ガン剤治療の際に薬剤が患部に届くのを妨げるバリアにもなってしまうことが分かってきました。
同社が開発した“ENHANZE”はヒアルロン酸を分解する酵素“ヒアルロニダーゼ”を主成分とした薬剤で、抗ガン剤と併用することでその効果を高めるものであり、ガン細胞周辺のバリアになっているヒアルロン酸を分解し、抗ガン剤を届きやすくします。
体の細胞の間に存在するヒアルロン酸には保湿と同時に液体の侵入を防ぐ役割もあって、液体の薬剤を皮下注射するとその部分が膨らんでしまい、体に吸収されて元に戻るのには時間がかかります。
ENHANZEはこのヒアルロン酸の防壁を壊すため、体への吸収がスムースになった結果使用できる液量を大幅に増やします。通常皮下注射は2ｍLほどが限界でしたが、ENHANZEを使うとそれを最大300-600 mL以上まで上げ、それと同時に投薬時間を短縮することができます。
ENHANZEは抗ガン剤だけでなくその他の低分子薬やバイオ医薬品と併用できるため、幅広く利用することができます。実際、ロシュやファイザーといった大手製薬メーカー各社と提携して乳ガン、血液ガン、免疫不全などの治療薬の共同開発を進めていて、いくつかはすでに承認済です。
ENHANZEは主役の治療薬を補う重要な脇役というポジションにある技術であり、まだ認知度はそれほど高くないようですが、今後は汎用性の高い基盤技術になっていく可能性を秘めていると言えるでしょう。
会社ウェブサイト
www.halozyme.com
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