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アメリカ成長株: グリーン・プレインズ(Green Plains):バイオ燃料のためのエタノールを製造

エネルギー

アメリカ成長株: グリーン・プレインズ(Green Plains)の概要

グリーン・プレインズ
Green Plains Inc.
ティッカーコード:GPRE
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/GPRE

グリーン・プレインズ社はアルコールを中心に、油、家畜飼料をトウモロコシから生産する事業、および燃料貯蔵、輸送サービス事業を展開する大手農業技術企業です。

同社の主軸製品であるエタノールは、いわゆる“カーボンニュートラルエネルギー”の一つである“バイオ燃料”として使われます。
エタノールは燃やしても有害物質が出ない上に、排出される二酸化炭素は植物が大気から取り込んだものなので新たな二酸化炭素を生み出しません。

ガソリンや軽油などの燃料にエタノールを混ぜることで既存のエンジン車でも使えるという点が大きなメリットです。バイオ燃料には温暖化対策や環境保護という追い風が吹いていますが、最近の原油価格の高騰が更に後押しとなっています。
特に航空機は電気自動車(EV)のような代替手段がなく、バイオ燃料に切り替えるくらいしか二酸化炭素放出を抑える方法がないため、コロナ後に世界で人流が回復すれば大きな需要増が見込まれます。

最近は温暖化対策として注目されることが多いバイオ燃料ですが、米国では供給過多で余ってしまったトウモロコシの消費先として開拓されたものでした。トウモロコシは80年代からずっと余り気味で、農家を守るために補助金を出している程です。温暖化対策が叫ばれている今は、バイオ燃料が農業保護と環境保護を両立する一石二鳥の解決策となっていて、米国では燃料にエタノールを混ぜることが義務化されています。

ただし、このエタノールの混合義務や混合率はその時の政権がとる政策によって変わるためバイオ燃料産業は政府の環境政策に左右されやすい点もあります。民主党と共和党では環境問題に対する考え方がかなり異なるため、政権交代でガラッと状況が変わってしまうリスクがあります。

しかし同社の事業はバイオ燃料の一本足打法ではなく、高タンパク質飼料やコーン油の生産、さらには燃料・穀物の貯蔵や輸送部門までもあってその他のバイオ燃料企業や新エネルギーベンチャーとは違って経営の多角化が進んでいます。

トウモロコシはタンパク質が多く含まれる穀物なので、アルコールを作った後に残った残留物は家畜、養殖魚、ペットのための高タンパク質飼料として活用できるのです。
高タンパク質飼料は、より早く家畜を成長させ、より多くの牛乳、卵を出荷するのに欠かせないもので近代の畜産業を支えています。

現在バイオ燃料のエタノールは主に穀物の実に含まれるデンプンから作っていますが、将来は葉や茎の植物繊維(セルロース)からも作れるように技術開発が進んでいます。

エタノールは糖を発酵させて作りますが、デンプンもセルロースも分解すると糖になるという点では同じなので最近は農作物の実以外の部分、廃木材、紙くず、古着などに含まれるセルロースを使ってバイオ燃料を作る試みも行われています。

デンプンと違って植物繊維は異物を多く含むため今のところ効率が悪いのが難点ですが、効率化が進めばバイオ燃料につきまとう「食料とバッティングする」という問題を解決できます。欧州では温暖化対策の切り札として電気自動車(EV)の導入や法律の制定が進んでいますが、この方針には多くの問題が指摘されています。

まず、発電に化石燃料を使ったら元も子もないし、二酸化炭素を出さない原子力発電も事故や放射性廃棄物の処理・保管の問題を抱えています。また、全ての自動車をEVに置き換えるのには相当の時間がかかる上に、EVの製造やガソリン車の処分がもたらす環境負荷も考慮する必要があります。

しかも現在はコロナ禍でのサプライチェーンの分断で自動車などの工業製品の生産がままならない状態になっていて更にEVへの転換を難しくしています。二酸化炭素排出量を減らすという目標を早期に達成するためには既存のエンジン車に使う化石燃料をバイオ燃料に切り替える方がよっぽど早くて現実的であることに気付くべきでしょう。

 会社ウェブサイト
www.gpreinc.com

 

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