アメリカ成長株: グロコス(Glaukos)の概要
グロコス
Glaukos Corp
ティッカーコード：GKOS
上場市場：NYSE（ニューヨーク証券取引所）
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/GKOS/annual
グロコス社は、緑内障、角膜疾患、網膜疾患などの眼の病気のための治療装置・器具と医薬品を開発・製造しています。
代表的な製品は緑内障治療に使われる“iStent”という眼の中に埋め込む超小型のマイクロインプラントです。
眼球の内部は眼内液で満たされていて、常に眼内液の流入と排出によって内部の圧力（眼圧）が一定に保たれています。
眼内液はシュレム管という排出口から排出されますが、ここが何らかの原因で詰まってしまうと流入過多となり眼圧が上昇します。眼圧の上昇による眼球の膨張は視神経を圧迫し、緑内障のような神経障害を引き起こします。
通常は眼圧を下げる眼圧降下薬が使用されますが、眼の炎症、視力低下、頭痛などの副作用、長期使用による効果の低下、治療費の負担増、毎日定時に点眼し続ける難しさなどの問題があります。iStentは、眼房角という角膜と虹彩の結合部分を貫通する形で埋め込まれる金属製のパイプのようなものです。
シュレム管の代わりの役割を果たすことで、眼内液のスムースな排出を促し、正常な眼圧の調節を回復させます。
これは“低侵襲緑内障手術（MIGS）”と呼ばれる新しい治療法の一つで、レーザーを使った従来の緑内障手術に比べて患者の負担が小さく、感染症や低眼圧黄斑症などの副作用が起こりにくいとされています。iStentは、製品化され医療現場で使われており、一度施術すれば点眼薬の副作用や煩わしさから開放されるとあって患者に広く受け入れられています。
米国をはじめ世界中で使用され高い評価を得ており、同社の主力製品となっています。
また“iLink”は角膜円錐症の治療のための角膜クロスリンキング手術で、これも医療現場で使われています。
角膜円錐症とは、角膜が薄くなって強度が低下して円錐状に突出する病気で、視力低下、目の疲れ・かすみ、ニ重視などの症状があります。
角膜クロスリンキング手術は、角膜層の強度を補う薬剤を浸透させて紫外線で固める手法で、角膜移植よりも患者の負担が少なく手術費も抑えられます。
その他にも、眼の中に固定され点眼薬を連続的に投薬できる“iDose、iLution、Retina XR”などのマイクロインプラントを開発中です。
現在、緑内障、ドライアイ、老眼、加齢黄斑変性症（AMD）などの治療を目指して臨床試験に入っています。
点眼薬による治療には、目の中に正確に入れるのが難しく、複数の薬を使用する場合は時間をあける必要があり、飲み薬と比べて習慣的に投薬するのが困難であるなどの問題があります。
患者まかせでは、長期間に渡る正確で継続的な点眼は難しく、放置されて病気が悪化するケースも多いことが分かっています。
この新しいインプラント治療は患者の負担を軽減し、正確な点眼薬投与を確保して治療効果を上げるのは確実で、問題の多い従来の点眼治療に代わるものとして早く実現されることが望まれています。
同社は眼科領域における革新的な治療法の市場リーダーであり、今後も研究開発を積極的に進め、より体に負担がなく効果の高い治療プラットフォームを提供していくことになるでしょう。
会社ウェブサイト
www.glaukos.com
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