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アメリカ成長株:フルエンス・エナジー(Fluence Energy):エネルギー貯蔵技術開発企業

エネルギー

アメリカ成長株:フルエンス・エナジー(Fluence Energy)の概要

フルエンス・エナジー
Fluence Energy Inc
ティッカーコード:FLNC
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/FLNC

 地球温暖化防止策が推進される今、持続可能エネルギーとして太陽光や風力などの自然エネルギーが重視され世界中で増え続けています。

自然エネルギーは、二酸化炭素・排ガス・廃棄物を出さず自給もできる点で優れていますが、天候に左右されやすく発電量が安定しないという問題があります。

電力の需要に合わせて発電するのが理想ですが、需要の方も時間帯・天候・季節などの要因で変動するため、これに発電量を合わせるのは極めて困難です。そこで重要になってくるのが作った電気を溜めておいて必要な際に使うためのエネルギー貯蔵技術になります。
今回紹介するフルエンス・エナジー社は、こうした電力の需給ギャップを埋める蓄電技術を開発・提供しています。

同社の蓄電システムは用途別に
・Sunstack(太陽光発電向け):太陽光発電の効率を高め、蓄電・売電のタイミングを最適化
・Gridstack(大規模産業施設向け):送電網からの電気の蓄電、消費電力のピークカット、再生可能エネルギーの統合、周波数調整、変電・配電
・Edgestack(商用施設向け):電力負荷の平坦化によって電気料金を削減
の3つが用意されています。

どのタイプもFluence Cubeという縦横高さが2.5メートルほどのモジュールを容量に合わせて必要な分つないで構成されています。
この蓄電モジュールにはリチウムイオン電池が内蔵されていて、Fluence Operating SystemとFluence IQという管理システムによって制御されています。

Fluence Operating Systemは電池の状況を高度に可視化して警告・アラートを発し、Fluence IQは人工知能によって市場価格を予測して売電収益を最大化します。

発電の需給ギャップは太陽光や風力のような自然エネルギーだけの問題ではありません。安定した出力が売りの火力や原子力であっても、発電量が一定であること自体が変動する需要に合っていません。

1986年に旧ソビエト連邦で起きたチェルノブイリ原発事故は電力需要の減る夜間に出力を下げる想定の実験中に起きています。どの発電方法にしても需給ギャップを生む問題がつきまとうのです。

電力の需給ギャップを埋めることはエネルギー効率の面から重要ですが、経済的なメリットも見逃せません。電力の価格も物価と同じように需要と供給のバランスで決まるので、需要が増える昼間の電力価格は高く夜間は低くなります。
余った電力はすぐに売却せずに価格が高い時間帯を狙えば収益を最大限にできます。

今後SDGsが掲げる持続可能社会を目指す上で益々エネルギー使用の効率化が求められていくのは必至で、作った電気を少しでも無駄にしないための鍵となるエネルギー貯蔵技術の重要性は増しています。

今のところ同社の製品にはリチウムイオン電池が使われていますが、容量・寿命・コストの面で改善の余地があり、今後の開発で高性能のシステムが低価格で提供できるようになればさらに多くのシーンで活用されていくことになるでしょう。

会社ウェブサイト
www.fluenceenergy.com

 

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