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アメリカ成長株:バイオヘイブン・ファーマシューティカル(Biohaven Pharmaceutical):神経障害のための治療薬を開発

アメリカ バイオ ヘルスケア・バイオ
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アメリカ成長株:バイオヘイブン・ファーマシューティカル(Biohaven Pharmaceutical)の概要

バイオヘイブン・ファーマシューティカル・ホールディング
Biohaven Pharmaceutical Holding Co Ltd
ティッカーコード:BHVN
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/BHVN

バイオヘイブン・ファーマシューティカル社はCGRP、グルタミン酸、ミエロペルオキシダーゼの3つ生体物質を標的とした神経障害のための治療薬を開発・販売しています。

それぞれの対象とする疾患と開発状況は以下の通りです。

1.CGRP:偏頭痛、三叉神経痛
偏頭痛は吐き気や嘔吐を伴う辛い頭痛が数時間から数日続くもので、日常生活に支障をきたす場合もあります。
偏頭痛に関わる生体物質として、セロトニン(頭痛抑制)とCGRP(頭痛誘発)が脳内にあることが分かっています。

治療薬は、セロトニンと同じ作用をするトリプタンとCGRPの働きを抑えるエムガルティなどが実用化されています。
トリプタンは20年に渡って多くの患者を救ってきましたが、副作用もあって心臓疾患を持つ人には使用できないなどの制限もついています。

CGRPを抑える初の頭痛薬として登場したエムガルティは抗体治療薬であるため高価で保存の手間がかかり通院して注射する必要があります。

同社が開発した“リメゲパント”も頭痛を引き起こすCGRPを抑えるものですでに米国で承認されています。
タブレットの経口薬なので手軽に入手して日常的に使うことができます。

2.グルタミン酸:強迫性障害(OCD)、脊髄小脳失調症(SCA)
強迫性障害(OCD)は同じ思考が頭の中から払拭できなくなり同じ行動を繰り返してしまうもので、脊髄小脳失調症(SCA)は歩行時のふらつき、ろれつが回らない、手が震えるなどの症状が出る神経障害です。

グルタミン酸は脳の神経伝達に重要な役割を果たしていますが、これらの疾患ではグルタミン酸が過剰に働くことで問題を起こしています。

同社が開発する“トロリルゾール”はグルタミン酸の働きや量をコントロールする経口薬で現在、臨床試験の第2~3相試験が進行中です。

3.ミエロペルオキシダーゼ:筋萎縮性側索硬化症(ALS)
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、運動神経が徐々に働くなり全身の筋肉が動かせなくなる進行性の神経障害で、発症原因が十分に解明されておらず特効薬も開発されていない難病です。

同社は、原因の一つとして“ミエロペルオキシダーゼ”という体内で次亜塩素酸を作り出す酵素を想定しています。

次亜塩素酸のような強力な酸化剤は通常、白血球が異物を排除する際の殺菌剤として使われますが、ALS患者の体内では次亜塩素酸が自身の神経細胞を傷つけていると考えられています。

同社が開発する“ヴェルディパースタット”は、ミエロペルオキシダーゼの働きを抑えることで神経細胞を次亜塩素酸による酸化ストレスから守る治療薬を目指すものです。

ミエロペルオキシダーゼは、ALSだけでなく、アルツハイマー病、パーキンソン病、多発性硬化症、脳卒中、てんかんなどの神経障害系の病気に関わっていると言われています。

現在第2~3相試験の段階にあるヴェルディパースタットがALSで効果が認められれば、その他の神経障害への展開も視野に入ってきます。

先日、エーザイとバイオジェン社が共同開発した世界初のアルツハイマー病治療薬である“アデュカヌマブ”の日本での承認申請が厚労省によって継続審議とされ、承認拒否となった欧州に続いて「待ったがかかる」ことになりました。

アデュカヌマブはアミロイドというタンパク質の蓄積がアルツハイマー病を引き起こすという仮説に基づいていて、アミロイドを取り除く働きをする抗体を利用します。

アルツハイマー病の原因としては“アミロイド説”と“酸化ストレス説”があり、決定的な結論には至っていません。
アデュカヌマブには開発中止から一転して承認されたという疑惑の過去があり、未だに批判的な意見も根強くあるようです。

米国FDAによるアデュカヌマブの承認が見切り発車だった可能性もあり「日本でも承認申請却下、アミロイド説に疑問符」というようなことになるかもしれません。

アミロイド仮説が完全に否定されることはないとしても、今後は酸化ストレス仮説へ開発の方向がシフトし、体内で作られる酸化剤を標的とした治療薬に注目が集まるようになる可能性があります。

そうなれば酸化ストレスを抑えるタイプで脳にも到達できる同社のヴェルディパースタットもアルツハイマー病の治療薬の候補として名前が挙がることになるでしょう。
まずは、ヴェルディパースタットがALSの臨床試験で良い結果を出せるかどうかに注目したいと思います。

会社ウェブサイト
www.biohavenpharma.com

 

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