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アメリカ成長株:ブルーム・エナジー(Bloom Energy):発電機器メーカー

エネルギー

アメリカ成長株:ブルーム・エナジー(Bloom Energy)の概要

ブルーム・エナジー
Bloom Energy Corp
ティッカーコード:BE
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/BE

先日は、シェール関係のオールドエネルギー関連を紹介しましたが、本日は「本道」の新しいエネルギー関連の会社です。

“エスディージーズ(SDGs)”という単語を最近よく耳にするようになりましたがこれは「持続可能な開発目標」という意味で、その中でエネルギー供給は電気、それも“分散型”が望ましいとされています。

分散型の電源には
・送電ロスが少ない
・需要に柔軟に対応できる
・エネルギー効率が高い
・災害に強い
などの多くのメリットがあります。

従来の発電は効率だけを優先した結果、火力、原子力、水力が重視されてきましたが、これらのベースロード電源と言われるような発電のほとんどは“集中型”です。太陽光・風力発電などの再生可能エネルギーは分散型ではありますが、不安定で災害に弱く環境破壊も招くという問題が指摘されています。

今回紹介するブルーム・エナジー社が提供する“Bloomエナジーサーバー”は、駐車場ほどのスペースがあれば設置できる“固体酸化物形燃料電池”を使った分散型の発電システムです。

同社の燃料電池はセラミック製のセルを積み重ねた構造で、天然ガス・バイオガス・水素などの燃料の分子と酸素を化学反応させて電気を生み出し、排出されるのはわずかなCO2と水だけです。

燃料電池の構造や静粛性は電池そのもののイメージですが、燃料を追加するかぎり電気を生み出し続けるという意味では、電気を貯めておくだけの“電池”とは別物で“発電機”に近いものです。

燃料を使いますが、燃焼させるわけではないのでガソリンや軽油を使う発電機と比べて硫黄・窒素酸化物・PM2.5などの大気汚染物質を排出せず、燃機関特有の騒音も全くありません。

天然ガスから電気を作ると言えば、東日本大震災に活躍した六本木ヒルズの巨大ビルに設置されているガスタービン発電機が思い出されますが、ガスタービンは燃料を燃焼させてタービンを動かして発電機を物理的に回す分エネルギーロスが大きい上に騒音や排気があります。

このように他の発電と比べて利点の多い燃料電池ですが、触媒に貴金属を使用するため高価になってしまうのが難点でした。同社の燃料電池は貴金属ではなく、安価なセラミックを使っているため低コストで製造できます。

その上、従来の燃料電池の約2倍の高効率で発電できるため導入コスト・ランニングコストの両面で優れています。環境に配慮するとコストが高くなる傾向にあり、環境配慮とコストダウンの両立は難しいものですが、同社の発電システムはそれを実現することに成功しました。

Bloomエナジーサーバーは現在のところ主な燃料として天然ガスを使っていますが、廃棄物や自然エネルギーから作られるバイオガスや水素が普及して利用できるようになれば、再生可能エネルギーの弱点である不安定さを克服した理想的な電源になり得る可能性も秘めています。

低コスト・低環境負荷・分散型という三拍子が揃ったBloomエナジーサーバーは現在得られる情報を見る限り文句のつけようがなく、安定的で現実的な電源として様々な現場で導入が進むことになるでしょう。

会社ウェブサイト
www.bloomenergy.com

 

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