アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

アメリカ成長株投資に興味のある方はこちらへ

アメリカ成長株:アスペン・エアロジェルズ(Aspen Aerogels):断熱材を開発・製造

鉱工業

アメリカ成長株:アスペン・エアロジェルズ(Aspen Aerogels)の概要

アスペン・エアロジェルズ
Aspen Aerogels Inc
ティッカーコード:ASPN
上場市場:NYSE(ニューヨーク証券取引所)

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/ASPN

断熱材は表に出ない影の存在で普段ほとんど目にすることはありませんが、縁の下の力持ちとして私達の生活を支えています。例えば住宅の壁の内側に入っている断熱材は外からの熱を防ぐことで光熱費を下げたり住宅の寿命を伸ばすのに役立っています。

断熱材は様々な産業・インフラの分野でエネルギー効率を上げるために欠かせないものになっています。今回紹介するアスペン・エアロジェルズ社が製造する“エアロジェル”は、エネルギーインフラ施設、建材、電池などに使われる断熱材です。

エアロジェルとは、スポンジのような内部に細かい空間を含むスカスカの構造体を指す総称で様々な材質のものが作られています。
アルミ、ニッケル、セルロース、ゼラチン、寒天など色々なものがありますが、同社のエアロジェルはカーボンとシリカ製が中心です。細かい気泡を閉じ込めることで熱を伝えない空気の層を作り出して熱伝導を防ぎます。
材質や穴の構造によって断熱性、硬性、耐久性、重量が違うためさまざまなエアロジェルが開発されています。

その他の断熱材と比較すると同社のエアロジェルは以下の特徴を持っています。
・薄くて軽い
断熱効果が高く建材によく使われるロックウールの3分の1の厚さで同等の効果を得られる。
隙間の多い構造なので体積当たりの重量が小さく運搬・設置・交換のコストを下げられる。

・加工がしやすい
マット状の不織布でハサミやカッターで簡単に切断できる。
柔軟なので硬質の断熱材に比べて設置しやすい。

・使用温度範囲が広い
用途に合わせてマイナス200℃~プラス650℃まで対応した製品があり様々な環境で使える。

・劣化しにくい
撥水性があり湿気を吸うことによる断熱効果の低下がない。

・耐火性がある
通気性、撥水性がありながら耐火性も併せ持っていて、耐火コンクリート系の断熱材より優れている。

同社のエアロジェルは開発されて以来20年以上の実績があり、使われている分野は多岐にわたります。

・LNG(液化天然ガス)
LNGはマイナス162度という超低温の液体であるため断熱が不十分であると貯蔵タンクに氷がついて落下したり気化したガスを処理するコストがかかる。

・石油化学
気象状況による温度変化を防ぐ。作業員を熱から守る。劣化に強く交換しやすいためメンテナンスコストを下げる。

・セントラルヒーティング
ボイラーで作った蒸気の熱を逃さずに分配する。

・発電
発生した熱を逃さずに利用し熱交換の効率を上げる。

・電池
熱に弱いリチウムイオン電池を内外から来る熱から守る。

・建築
冷暖房の効率を上げてエネルギー消費を抑える。
壁を薄くすることで居住スペースを広く取れる。
撥水性がありカビの発生を抑え建物の寿命を伸ばす。

・パイプライン
海底を通るパイプが海水で冷やされることで生じる沈殿物によって目詰まりするのを防ぐ。

主な提供先は大規模なエネルギーインフラ施設であり、社会の根幹を支える重要な役割を果たしています。
一般的に使われてきた硬質のケイ酸カルシウム断熱材と違って設置・交換が容易で場所をとらず耐久性が高いため世界中のインフラ企業から高い評価を得ています。

SDGs(持続可能な開発目標)が言われるようになった今、より一層の省エネが求められるようになりましたが、断熱効率を上げることは様々なシーンで省エネに直結するため今後も同社が開発するような高性能の断熱材の重要性に変わりはないでしょう。

会社ウェブサイト
www.aerogel.com

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました