アメリカ成長株:アセンディス・ファーマ(Ascendis Pharma)のアップデート
アセンディス・ファーマ
Ascendis Pharma A/S
ティッカーコード:ASND
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/ASND
今回は、以前紹介したアセンディス・ファーマ社のその後についてのレポートです。
→ アセンディス・ファーマの概要
同社は既存の薬を改良する“TransCon”という技術を使って新しい機能を付加した“プロドラッグ”を開発しています。
一番開発が進んでいた長時間作用型成長ホルモンのTransCon hGHは商品名“SKYTROFA”としてFDAの承認を受け、米国を始め世界中での発売が決定しました。低身長と代謝性合併症を伴う成長ホルモン欠乏症の患者は成長ホルモンを毎日注射する必要がありましたが、SKYTROFAは週に一回で済みます。
この他にもTransCon PTH(副甲状腺機能低下症)やTransCon CNP(軟骨無形成症)も(一回の投与で)長期間効果が持続するもので、臨床試験の最終段階に入っています。
この3つは足りないホルモンを補う薬の効果を長続きさせるプロドラッグで、患者にとっては大きな負担軽減になります。
現在はホルモン系に続いて新たに抗ガン剤のプロドラッグの開発が始まっています。
抗ガン剤には体内での濃度が高すぎると毒性が強く出て低すぎると効果が出ないというやっかいな性質があります。
抗ガン剤を単独で投与すると直後から濃度が急降下して効果もすぐに下がってしまいますが、それを補うために高濃度で投与すると毒性が問題となります。
そこでTransConの技術を使って有効成分が徐々に体内で放出されるようにしてやれば程よい濃度を長時間保てるので副作用を抑えて効果を最大に引き出せます。
“TransCon TLR7/8アゴニスト”と“TransCon IL-2β/γ”の2つ(どちらも抗ガン剤)が開発リストに載っていて前臨床段階を終え第一段階に入りつつあります。
成功すればこの2つを皮切りに抗ガン剤という巨大市場にも参入できることになるため今後の臨床試験の動向にも注目していきたいところです。
会社ウェブサイト
www.ascendispharma.com
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