2026年2年27日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1712.22で終わりました。一週間前に比べて-10.13(-0.59%)と小反落しました。

主要インデックスのNYダウ(前週末比-1.31%)およびSP500(前週末比-0.44%)と同程度の動きとなっています。
今週は、前々から心配していたプライベート・クレジットの問題がついに、「市場全体の売り材料」になりました。下記に詳しく書きますが、悪材料が山積しました。
大手運用会社である、ブラックロック、アレス、KKR、アポロ、ブルー・アウル等々急落しました。また、以前から注目しているジェフリーズも強烈な売りとなっています。
これらの銘柄に引きずられる形で、ゴールドマン・サックスやアメックスまで売られています。
さらに週末には、超リスクオフイベントの「米国のイラン攻撃」もあり、しばらくは非常に厳しい市場が予想されます。
<主力大型株 VS 小型成長株>
従来からコメントしておりますが、大手IT、AI銘柄の割高感は顕著であり、一方で多くの投資家が既に投資ポジションを持っているため、何か理由があれば(ほんの些細な事でも)、これらの銘柄は売られやすくなっています。これまでの上昇スピードが急激であった分、下落率も強烈であり、時価総額数十兆円の銘柄が一日で10%近くも下落するという、信じられないような相場となっています。
一方で、米国小型成長株は、AIやITのウェイトが大型株に比べれば低く、また業種も幅広い分散しています。米国の基本的に高い経済成長率の恩恵を受け、米国第一主義のトランプ政策との相性も、「グローバルに展開する大型銘柄」に比べるとよくなっています。にもかかわらず、米国小型成長株は相対的には大幅な割安水準にあります。
主力株(といっても一部の超大型AI、IT銘柄でインデックスが動かされている)に比べて、米国小型成長株は相対的に有利な点があるとおもっています。
<プライベート・クレジット問題>
この数か月、このコメントでは継続的にこの問題を取り上げてきました。
今週はついに、プライベート・クレジットの問題が、株式市場全体を揺るがす問題になりました。
今週出た悪材料は
・マーケット・フィナンシャル・ソリューションズ(MFS)の不正(一つの担保で、複数の資金を調達していた疑い)= プライベート・クレジットファンドの、資産の質に疑念
・上場しているBDCの一部が、融資先からの返済が滞っている資産を、四半期の決算直前に外して、決算後に戻している = こちらも、不良資産を不当に見せないようにしている=資産の質に疑念
・UBSが、「プライベート・クレジットのデフォルト率は最悪15%」というレポートを出す = 資産の質に疑念
要は、プライベート・クレジット・ファンドの資産はかなり悪化している。債権自体が、不良債権になっているのみならず、一部は詐欺的な物さえある。さらに、ファンドの運用者が、その悪化を隠している可能性もある。非常にショッキングな情報が、山積みの一週間でした。
以前のこのコメントでも書きましたが、ここから「投資家が解約に殺到」すれば、マイナス・スパイラルが開始されます。既に、昨年の末から解約は増加していますが、最近の「資産の質に関する疑念」への認知が広がれば、一段と解約が増えます。
また、ジェフリーズ証券など、「特定の案件の直撃」を受ける銘柄も出てきています。
非常に危険な状況と言わざるを得ません。
<外部材料>
従来から以下の3つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
いよいよ、こちらも米国小型成長株に悪影響を与える状況になってきました。
<イラン攻撃>
米国とイスラエルがイランに攻撃をしました。イランも湾岸諸国に反撃しました。
既にイランの最高指導者であるハメネイ師を始め、イラン政府の高官もかなり犠牲となったと報道されています。イランも、イスラエル及びペルシャ湾の湾岸諸国に報復攻撃をしており、ホルムズ海峡も封鎖状態です。
米国とイスラエルの攻撃は継続しており、「超リスクオフ」となる材料となっています。
<ウクライナ戦争の4年経過について>
戦争期間が4年を過ぎて、欧州政府・日本政府、西側メディアは、
「ロシアのやっていることは許せない、ウクライナは抵抗を続けており、戦線も膠着している。一方ロシアはかなり厳しくなってきている。引き続き援助を続ける」
というメッセージを発しました。
しかし、「何が正義かは別にして、実際に何が起こっているのか?」に焦点を当てた軍事ブロガー等の意見は
「ウクライナ及び西側諸国がプラスのナラティブを作り出すには、できるだけ早くロシアの条件を受け入れて停戦すべき。非線形崩壊が起これば、プラスのナラティブ作成は不可能になる。」
というものです。
近々、この件については少し詳しくコメントを書きたいと思っています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2026年2月27日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1712.22/6878.88=24.89%、
26週移動平均との乖離は+0.22%でした。

大型株(特にAI,IT)は割高であり、小型成長株は歴史的にみて大型株との比較では非常に安い場所にあります。一方で、政策は金利低下、米国第一主義で、米国小型成長株にとっては追い風です。
現在の歴史的な「ゆがみ」が訂正される相場が来ると期待しています。
→ 2022年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)

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