2026年2年13日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1709.95で終わりました。一週間前に比べて-24.27(-1.40%)と反落しました。

主要インデックスのNYダウ(前週末比-1.23%)およびSP500(前週末比-1.39%)と同程度の動きとなっています。
引き続き、AIが既存企業に大きなマイナスを与える「可能性」に焦点が集まりました。しかしながら、マイナス幅は限られており、「これまでの買われ過ぎの反動で、利食いの理由を探していた」という側面もあります。
<主力大型株 VS 小型成長株>
従来からコメントしておりますが、大手IT、AI銘柄の割高感は顕著であり、一方で多くの投資家が既に投資ポジションを持っているため、何か理由があれば(ほんの些細な事でも)、これらの銘柄は売られやすくなっています。これまでの上昇スピードが急激であった分、下落率も強烈であり、時価総額数十兆円の銘柄が一日で10%近くも下落するという、信じられないような相場となっています。
一方で、米国小型成長株は、AIやITのウェイトが大型株に比べれば低く、また業種も幅広く分散しています。米国の基本的に高い経済成長率の恩恵を受け、米国第一主義のトランプ政策との相性も、「グローバルに展開する大型銘柄」に比べるとよくなっています。にもかかわらず、米国小型成長株は相対的には大幅な割安水準にあります。
主力株(といっても一部の超大型AI、IT銘柄でインデックスが動かされている)に比べて、米国小型成長株は相対的に有利な点があるとおもっています。
<プライベート・クレジット問題>
この問題は、まだまだ消化途中と思っています。
プライベート・クレジットは非常に範囲が広い「ファンドから企業への融資」です。主に以下の形態があります。
1)LBOのための、デット部分のファンドによるファイナンス
2)非上場企業で、銀行の融資が受けにくい企業へのファンドからの貸付
3)不動産の取得などに関係する、ブリッジファイナンス
4)売掛金などをファンドが購入する、サプライチェーン・ファイナンス
1)については、大手PEバイアウトファンドのエグジット(ファンドからの売却による現金回収)が、IPOが低調であったり、もともとの投資価格が高すぎた、といった理由で低調になっている、という問題があります。最近の、アンソロピックのAI関係のマイナスは、この部分に焦点が当たっています。IPO市場の回復と、金利低下によるバリュエーションの改善が、改善の鍵です。また、ソフトウェア関連企業について、「AIの影響は本当に壊滅的なダメージなのか?」という点もあります。
2)については、プライベート・クレジットファンドからの資金流出が、借り手企業のロールオーバーの不調につながるリスクがあります。今後のプライベート・クレジットファンドへの資金の流入・流出の動向が非常に重要です。
3)については、そもそも不動産担保がついているので、あまり心配していません。現時点で、米国の不動産価格の暴落はありません。
4)については、「そもそも、しっかりしたデュー・ディリジェンスが行われていたのか?=売掛金の二重売買などないか?」という、非常に根源的な不透明感があります。ファンド規模の急増で、「資産の質が、適切に管理されているのか?」に市場参加者の関心が集まっています。もし、「資産の質が良くない」ことが明確になった場合、相当厳しい問題になります。
プライベート・クレジットを取り巻く不透明感は、いろんな部分で出ています。まだまだ、注意が必要です。
<外部材料>
従来から以下の3つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
米国小型成長株に影響は与えていませんが、3つとも何ら好転していません。
引き続き、米国とイランの緊張関係は継続しています。
欧州政治は、エプスタイン事件の余波で、スターマー首相が苦境に追い込まれています。
ウクライナは、戦況と国民生活ともに苦境にあり、非線形崩壊のリスクが継続しています。
ウクライナについては、欧米メディアは。「米国のトランプ大統領は、中間選挙が近いから、早くウクライナの和平を実現して、選挙に有利が材料を獲得したい」と言っています。
しかし、一部の(私が中立的と思っている)軍事ブロガー等は、「米国はウクライナの危機的状況を把握しており、もしウクライナが非線形崩壊をしたら、ウクライナはもちろん、米国も壊滅的な外交ダメージを負う。だから、ウクライナの和平締結を急いでいる」という見方をしています。
欧米メディアと(中立と思われる)軍事ブロガー、それぞれの過去のコメントと実際に起こったことを比較すると、後者の方が真実に近いという実績があります。このため、今回も、後者の方(ウクライナの非線形崩壊が本当の米国のリスク)が実態に近いと思っています。(ちなみに、欧州については、もう引き返せる点を過ぎたので、ウクライナと一連托生で、非常に危険という、コメントをしています)
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2026年2月13日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1709.95/6836.17=25.01%、
26週移動平均との乖離は+0.39%でした。

大型株(特にAI,IT)は割高であり、小型成長株は歴史的にみて大型株との比較では非常に安い場所にあります。一方で、政策は金利低下、米国第一主義で、米国小型成長株にとっては追い風です。
現在の歴史的な「ゆがみ」が訂正される相場が来ると期待しています。
→ 2022年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)

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