2026年1年16日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1785.32で終わりました。一週間前に比べて+33.74(+1.93%)と続伸しました。

主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.29%)およびSP500(前週末比-0.38%)はマイナスであり、一週間前と同様に米国小型成長株が主力株に比べて明確に強い一週間でした。
今週も、グリーンランドなど外部材量はありましたが、市場を動かしたのは
・トランプ大統領による、クレジットカード金利の上限導入発言で、金融セクターの売り
・TSMCの好調な収益見通しで、半導体関連が見直し買い
といった純粋に企業の業績に関する話題でした。
従来からコメントしておりますが、大手IT、AI銘柄の割高感は顕著であり、一方で多くの投資家が既に投資ポジションを持っているため、何か理由があれば(ほんの些細な事でも)、これらの銘柄は売られやすくなっています。これまでの上昇スピードが急激であった分、下落率も強烈であり、時価総額数十兆円の銘柄が一日で10%近くも下落するという、信じられないような相場となっています。
一方で、米国小型成長株は、AIやITのウェイトが大型株に比べれば低く、また業種も幅広い分散しています。米国の基本的に高い経済成長率の恩恵を受け、米国第一主義のトランプ政策との相性も、「グローバルに展開する大型銘柄」に比べるとよくなっています。にもかかわらず、米国小型成長株は相対的には大幅な割安水準にあります。
主力株(といっても一部の超大型AI、IT銘柄でインデックスが動かされている)に比べて、米国小型成長株は、相対的に有利な点があるとおもっています。
<プライベート・クレジット問題>
従来から、「この問題はすぐに解決するとは思っておらず、しばらく注視したい」と書いてきました。今週は2つの新しいニュースがでました。
・1月15日のウォールストリートジャーナルのニュース:
いくつかの自動車部品小売り業者が、サプライチェーンファイナンス(SCF)を過剰に使って(=ドーピング的に)、財務状況をよく見せていた。
・1月17日のフィナンシャルタイムズのニュース:
大手プライベート・クレジット・ファンド(アポロ、アレス、ベアリング、ブラックストーン、ブラックロック等)から、2025年12月に70億ドルの資金流出があった。
前者は、プレイベート・クレジットの借り手企業の財務状況は、実際より「良く見せるようにドーピングされている」=「本当の借り手の状況は、貸し手(=ファンド)が思っているより良くないかもしれない」ということを意味しています。
そして、後者は「これまでプレイベート・クレジット・ファンドから資金調達できた会社が、今後、資金調達できなくなる可能性がでてくる」ことを意味しています。
そして、上記の2つを合わせれば:
これまでプライベート・クレジット・ファンドから資金調達している会社のうちのいくつかは、実際には調達に値しない財務状況の会社である可能性がある。こういった会社は、ファンドの規模が小さくなれば、新たな借り入れができない。しかし、会社の実態はあまり良くないから、他の方法(=一般的には銀行融資)では資金調達できない可能性がある。
という流れになります。
何となく、サブプライムの時に似ているように見えませんか?
サブプライムの場合は:
不動産の値段があがる。→ 住宅ローンの借り手の所得が十分になくても、不動産の価格上昇を利用して住宅ローンを借り換える→追加の現金ができるから、(生活費に補填しても)住宅ローンの支払いができる→お金が無くなれば、また不動産の値上がりを利用して住宅ローンを借り換える→・・・ という美味しいサイクルが、
不動産が下げ始める→住宅ローンの借り換えができない。そしてそもそも(サブプライムの)住宅ローンの借り手は、(住宅ローンの借り換えができないと)支払いができない→デフォルト→競売→不動産がさらに下がる→・・・
上記を踏まえて:
・プライベート・クレジット・ファンドからの資金流出が一過性なのか?
・それとも、もうしばらく続くのか?
・その時、「実はファンドから借り入れができるほど、財務状況は良くなかった会社があぶりだされるのか?
トランプ大統領が、金利低下にこだわるのは、労働市場のスローダウンではなく、プライベート・クレジット・ファンドの問題を気にしているのでは?
しばらく様子を見たいと思っています。
<外部材料>
従来から以下の3つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
今週も、米国小型成長株にとって、大きな材料はありませんでした。
欧州の政治問題は、ウクライナに加えて、自分自身(=デンマーク)が関わるグリーランドも含まれてきました。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2026年1月16日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1785.32/6940.01=25.73%、
26週移動平均との乖離は+1.36%でした。

大型株(特にAI,IT)は割高であり、小型成長株は歴史的にみて大型株との比較では非常に安い場所にあります。一方で、政策は金利低下、米国第一主義で、米国小型成長株にとっては追い風です。
現在の歴史的な「ゆがみ」が訂正される相場が来ると期待しています。
→ 2022年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)

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