アメリカ成長企業

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アメリカ成長株市場の動き-2025-12-12

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アメリカ成長株

2025年12年12日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1696.41で終わりました。一週間前に比べて+9.93(+0.59%)と小幅続伸しました。

主要インデックスのNYダウ(前週末比+1.05%)およびSP500(前週末比-0.63%)が上下に割れたため、比較に難しい一週間となっています。

FRBは予想通り金利を下げました。これにより、安心感が広がり木曜日にかけて株式市場は堅調でした。しかし、オラクルやブロードコムが急落していたことから、金曜日に市場全体が大きく下落し、結果的にNYダウと米国小型成長株は小幅続伸、時価総額ベースのSP500が反落という一週間でした。

従来からコメントしておりますが、大手IT、AI銘柄の割高感は顕著であり、一方で多くの投資家が既に投資ポジションを持っているため、何か理由があれば(ほんの些細な事でも)、これらの銘柄は売られやすくなっています。これまでの上昇スピードが急激であった分、下落率も強烈であり、時価総額数十兆円を超える銘柄が一日で10%近くも下落するという、信じられないような相場となっています。

一方で、米国小型成長株は、AIやITのウェイトが大型株に比べれば低く、また業種も幅広く分散しています。米国の基本的に高い経済成長率の恩恵を受けますし、米国第一主義のトランプ政策との相性も、「グローバルに展開する大型銘柄」に比べると良くなっています。そして、このような好環境にも拘わらず、歴史的な割安水準にあります。

主力株(といっても一部の超大型AI、IT銘柄でインデックスが動かされている)に比べて、相対的に有利な点があるとおもっています。(ただし、このようなコメントはこの3年間ずーっと書いてきています。そろそろ、実現化して欲しいと思っています。)

<プライベート・クレジット問題>
この問題はすぐに片付くとは思っておらず、引き続き高い関心を持って見ています。

<外部材料>
従来から以下の3つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
今週も、米国小型成長株にとって、大きな材料はありませんでした。

<ついに欧州は、痛恨の戦略的失敗をしてしまうのか?>
従来から、このコメントでは
・ウクライナの戦況は非常に厳しく、防衛線の破綻も見え始めた
・状況を理解している米国はウクライナの仲間→中立の立場、にポジションを変えた
・しかし欧州は、ウクライナの負けを受け入れられない
・ロシア凍結資産活用のウクライナ支援スキームは、非常な悪手である
と書いてきました。

今週、欧州は「痛恨の戦略的失敗」に一段と近づきました。「ロシア凍結資産活用のウクライナ支援スキーム」に突き進むようです。まずは、「EU内のロシア資産を無期限に凍結する」という決定を、「全会一致ではなく多数決で強行突破」しました。

12月18日には、この凍結したロシア資産を担保とする、ウクライナ支援スキームを決定すると言われています。さらにロシアに訴訟されないように、今後EU内で訴訟すること自体を、「門前払いする」(コヴィントンの意見)とも言われています。

しかし、どう考えてもこのスキームは悪手です。理由は
・他国の中央銀行資産を凍結して利用すること自体が、違法
・ユーロクリアは、「何かあっても資産を守る保管庫」という信頼がなくなる
・EUが違法な事をしても、それを訴えることすら許さない、というさらなる信頼の悪化

EUやユーロクリアの失う「信用」は致命的です。一度でもこんな事をしたら、「今回は特別です。ロシアはとんでもなく悪い奴だからやったんです。他の皆様にはしません」といっても、「信用」されません。一回でもやったら、「絶対起こらないという神話」には、絶対に戻りません。

かといってスキームが実行されても金融市場へのショックは起きないと思います。世界中(特に独裁政権の多い途上国、グローバルサウス)の政府、中央銀行、ソブリンウェルスファンドなどは、「少しずつ、しかし確実に」、EUやユーロクリアから資金を引き揚げます。長期的な損失は巨大かつ不可逆的です。

まして、ウクライナがさらに追い込まれて、「ロシアの賠償金支払いを放棄」した形で終戦をしたら、「経済的」にもとんでもないダメージとなります。
「一回でもやったら信用ガタ落ち」さらに「ウクライナが負けたら金銭的にも大ダメージ」というスキームです。

EUもバカではありません。このスキームの「やばさ」は当然わかっています。
そして、上記のような指摘は、何も特別な意見ではなく、ベルギーもECBも何度も(言葉を選びながら)発しています。

しかし、EUがこのスキーム採用に追い込まれているということは、それだけウクライナが厳しい(半年で財政破綻)ことと、EUがもう「普通のファイナンスが出来ない」ことを示しています。
欧州が「正気」に戻って、厳しいがまともなスキーム(長期かつ大量のEU債の発行など)でウクライナを支援して欲しいと思っています。

<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2025年12月12日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1696.41/6827.41=24.88%、
26週移動平均との乖離は+0.74%でした。

大型株(特にAI,IT)は割高であり、小型成長株は歴史的にみて大型株との比較では非常に安い場所にあります。一方で、政策は金利低下、米国第一主義で、米国小型成長株にとっては追い風です。

現在の歴史的な「ゆがみ」が訂正される相場が来ると期待しています。

→ 2022年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)

(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)

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