2025年4月11日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1225.17で終わりました。一週間前に比べ+39.41(+3.32%)の反発となりました。
主要インデックスのNYダウ(前週末比+4.95%)およびSP500(前週末比+5.70%)と比較すると、反発力は相対的に弱くなっています。
トランプ大統領が、関税実施を90日間猶予するという発表により、大反発となったものの、米中間の緊張は全く緩和されておらず、木曜日に再び売りなおされ、金曜日は今後の行方をさぐるためにやや反発となり、上下に大きく揺れ動く市場でした。
市場全体が不安定なため、相対的に脆弱な小型成長株は、主力株に対して冴えない動きが続いています。しかし、水曜日の大反発時の反発力は小型成長株の方が上回っており、市場が落ち着けば、「割安な小型市長株を見直す動き」が広がるのでは、と期待しています。
<トランプ関税>
今後90日間で、トランプ政権が本当は何をしたいのか?が見えてきます。単なる貿易問題なのか?それとも国家安全保障上の問題があるのか?同盟国への配慮などのようなものなのか?等々
そして、新しい世界環境下での資本の流れも少しづつ明確になっていくと思っています。
<外部材料>
現在は以下の3つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
外部材料に大きなものはなく、米国小型成長株への影響もありませんでした。
中国経済は、すでにデフレ状態であり、米国の関税によって「最終需要が一段と不足する状態」に追い詰められます。景気刺激策のためにインフラ投資等を行っても、「インフラ等の設備投資は、出来上がった商材が販売されて、はじめて意味のある設備投資」になるという課題があります。
単にインフラや設備投資等しただければ、「売るあてのない商材の生産能力が拡大するだけ」→「デフレが一段を厳しくなる」だけです。さらに、中国→ベトナム等→米国、という「迂回ルート」も今回の関税で焦点が当たって閉じられる可能性があります。ベトナム等の迂回国への輸出も減少します。
欧州とは「自由貿易を成長させる」ということですが、安い中国製品が大量に入った場合、欧州が対米黒字であることを考えると、欧州の貿易バランスが一段と悪化します。
世界最大の、それも圧倒的な輸入大国=世界の需要を引っ張っているアメリカが後ろ向きになれば、アメリカ以外の国にはデフレ圧力がかかります。そこに、中国製品がなだれ込めば、アメリカ同様「国内製造業との摩擦」が避けられません。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2025年4月11日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1225.17/5363.36=22.84%、
26週移動平均との乖離は-1.97%でした。
現在の水準は「この比率の新安値」です。米国小型成長株は、新たな「相対的な下落水準」に落ち込んでいます。長期的にみれば「異常値」がさらに「異常に」なっている状況です。
しかし、トランプ政策は長期的には米国小型成長株にとってプラスであると思っています。
「超割安な小型成長株の、長期的な買い場」を提供していると思っています。
→ 2021年6月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
コメント