2023年8月25日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1185.30で終わりました。一週間前に比べ+4.12(+0.35%)と小幅反発しました。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.45%)やSP500(前週末比+0.82%)もほぼ横ばいでした。
FRB議長の講演は一段の金利引き上げ含みがありましたが、先週既に警戒感でかなり下げていたため、今週はほぼ横ばいとなりました。
<米国経済とインフレ>
米国経済は強い。しかし、金利水準はかなり高い。
インフレが収まる前に、景気が腰折れするのか?
景気が腰折れする前に、インフレが収まって、金利がピークアウトするのか?
逆に景気が減速しないと、インフレは収まらないのか?
景気が強くても、マネーサプライコントロールや労働市場への参加者増加によって、インフレはピークアウトできるのか?
中国とのデカップリング政策が、消費財の供給を制限し、一方でリアショア(生産の米国内回帰)による建築需要増加を生み出し、一段とインフレを加速させるのか?
拡張的な民主党の財政政策が、過剰需要を起こしているのか?
金融政策、労働政策、外交政策、財政政策等が複雑に絡んでいます。
しかし、上記の内容を見れば、需要は強くなりやすく、インフレも強くなりやすい。
金利は高めに維持されるが、金利が高くても、景気は底堅くなりやすい。
このような米国経済の基礎的な性格を考えれば、(短期的には金利高の悪影響をうけるものの)、長期的には経済成長の恩恵を受ける小型成長株にはプラスの環境が続くと思っています。
<外部材料とウクライナ>
今週は、米国株式市場に影響を与える外部材料は、あまりありませんでした。
ウクライナについて、先週のこのコメントで書いた通り、
・ウクライナ軍は、最後の予備兵力を投入して猛烈に攻撃しており、南部戦線の2か所で、ロシアの防衛線に近づいている。(成果がでてきた)
・しかし、全力を尽くしている(=限界が近い)ウクライナ軍が、ここでロシアの防衛線を完全に突破できないと、非常に厳しい状態となる。
・逆に、ロシア軍は、多くの予備兵力、航空兵力を温存しており、どこかのタイミングで大きな攻勢をかける可能性がある。
という感じです。
私が中立的と感じているユーチューバー達は、「ウクライナがロシアの防衛線の突破に成功しつつあるが、この攻勢を続けることができるのか?」に焦点を当てています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2023年8月25日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1189.42/4405.71=27.00%
26週移動平均との乖離は-0.79%でした。
2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から27%~28%程度で「底値での横這い」という感じです。長期的な視点で見れば、小型成長株は歴史的な買い場となっています。
上記の分析は単純にインデックスの水準だけを比較したものですが、ファンダメンタルデータ(利益水準およびPER)で比較しても、現在の小型成長株はかなり割安です。
「小型成長株は割安」といって1年以上なります。そろそろ小型成長株相場が来て欲しいと思っています。
→ 2020年4月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年7月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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