アメリカ成長株:クリアフィールド(Clearfield)の概要
クリアフィールド
Clearfield Inc
ティッカーコード:CLFD
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/CLFD/annual
今やインターネットは、ビジネス、娯楽、教育、ショッピング、流通、医療などあらゆる場面で使われていて、道路や水道と同等のインフラになりつつあります。
日本ではインターネットと言えば光回線が当たり前になっていますが、国土の広い米国ではまだ半分ほどしか普及しておらず、田舎では未だに昔懐かしい電話回線を使ったケーブルモデムを利用しているそうです。
コロナ禍ではリモートワークやオンライン授業が推進されましたが、米国の一部地域では通信環境が悪いために業務に支障をきたす事態となり、ネット回線の格差問題が浮き彫りになりました。
インターネット先進国のイメージがある米国ですが、国土が広すぎるせいもあって意外にもブロードバンドの普及が遅れていて、地方では速度は遅いのに料金は高い回線に不満が募っています。これについては米政府も問題視していて、地域格差をなくすための助成金を出すなどネット環境改善のための政策を広げています。
今回紹介するクリアフィールド社は、ブロードバンドの中では最も高速で安定な光ファイバー通信を管理・保護するための部品・機器を製造・販売していて、主な顧客はインターネットサービスプロバイダ(ISP)です。
光ファイバーによる通信はコンピューターの電気信号を光の点滅によるモールス信号に変換し、ガラス繊維のケーブルで遠方まで届けるものです。光通信には長いケーブルを通るうちに減衰した光を増幅する中継機や都市間の幹線からローカルの支線に分ける分配器などが必要となります。
同社はこうした光回線の管理と保護のためのキャビネット、ウォールボックス、パネルなどを提供しています。
ケーブル接続のパーツは同社の独自プラットフォームに統一されていて、技術者はレゴブロックのように簡単に部品を取り付けたり外したりするだけで管理と拡張ができるように設計されています。
これにより顧客に光回線を提供するISPはメンテナンスのコストを下げ、加入者数の増加に合わせて簡単に回線を拡張できます。
通信速度、安定性、データ容量などの面で他と比べて光通信の優位性は明らかですが、広大な米国の全ての地域を有線でまかなうのはコストと時間が大きな障害となります。
最近では、有線に代わる方法として人工衛星を介した通信技術も出てきていて、イーロン・マスク氏率いるスペースX社のスターリンクという衛星通信サービスが戦禍のウクライナで活用されたことで注目されました。
米国内でもコロナ禍でオンライン授業のために早急に高速回線を引く必要に迫られた地方の公立学校がスターリンクの衛星通信を導入する動きが活発になりました。
敷設に時間がかかる有線の光回線が来るのを待つより手っ取り早いとの判断でしたが、導入・通信費用が高額であることや通信容量に制限があることがネックとなって今後も継続して利用できるかは疑問視されていて、財政的に見て有線を敷くまでの“つなぎ”が精一杯と言われています。
一時的に衛星通信に頼るとしても、よほど革新的な技術が登場しない限り最終的には光ファイバーが全米の隅々まで敷かれることになりそうです。
未だに根本的な解決には程遠い米国の地方の回線問題がどのように解消されていくのか今後に注目です。
会社ウェブサイト
www.clearfieldconnection.com
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