2022年10月7日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1073.53で終わりました。一週間前に比べ24.24ポイントの続伸(+2.31%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比+1.82%)やSP500(前週末比+1.47%)を上回る上昇でした。
前回のこのコメントで書きましたが「理屈では下げ、しかし、相場の自体は上がりたい。」そんな一週間でした。
週の前半は、FRBが「経済のオーバーキルを懸念して、金融引き締めを鈍化させるのでは」という期待で、株式市場は急上昇しました。しかし、週の後半になって、経済データが強く「やっぱり、FRBはインフレ退治のために大幅金利利上げを維持する」という懸念でかなり下げ、結局一週間通算でみると、2%程度の上昇でした。
<アメリカの景気と金融政策>
9月のISMの製造業、および非製造業の景況指数は、それぞれ予想よりやや弱い、やや強いという感じでした。しかし、ADP雇用統計がやや強く、さらに雇用統計の失業率が予想の3.7%に対して3.5%と改善したことから、「まだまだインフレを鎮静化するには、雇用が強すぎる」という見方が広がりました。
また、OPEC+が、大幅原油増産を決定したことも、インフレ懸念を増進させました。これらの動きから、週の前半に低下した10年国債金利も週の後半には急反発しました。
原油価格はバイデン政権のいびつなエネルギー政策が、完全に裏目に出ています。
国内左派に遠慮して、米国内の石油・天然ガスの増産につながる政策は取れません。しかし、ロシアとも妥協できないから、本当は仲良くしたくない独裁国家=サウジやベネズエラを懐柔する方法を探ります。でも「本音は仲良くしたくない」から相手に足元を見られて、「サウジからは要請を無視され」「ベネズエラについては、心情的に矛盾に耐えられるのか?」という感じです。
<アセットクラス間のリターン乖離?>
原油はOPEC+の政策で堅調でしたが、それ以外の資産は連動して動きました。仮想通貨は、比較的安定していました。
<ウクライナ情勢>
前回のコメントで書きましたが、ロシアの「瀬戸際外交の行く末の破滅的行動」を懸念しています。戦線での敗戦が相次ぎ、さらにクリミア半島との橋も破壊されました。「窮鼠猫をかむ」を心配しています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2022年10月7日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1073.53/3638.50=29.50%
26週移動平均との乖離は+1.31%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。2022年7月から反発トレンドになっていますが、現在でも歴史的な安値水準にあります。
まだまだ、小型成長株は買い、と思っています。
→ 2020年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2022年8月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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