2022年9月16日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1122.44で終わりました。一週間前に比べ59.25ポイントの大幅反落(-5.02%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-4.13%)やSP500(前週末比-4.77%)の下落率をやや上回りました。
週の前半は、インフレ率のピークアウト期待があり堅調に推移しました。しかし、9月13日に発表された8月のCPIは予想外に強く、一気に悲観的な相場となり急反落となりました。
<アメリカの景気と金融政策>
ここ数週間のこのコメントで書いていますが、現在株式市場には以下の2つのシナリオがあります。
・インフレ低下まで金利をあげ、結果的に景気が悪くなる。
・賃金圧力の低下と国際商品市況の下落でインフレが下がっていくため、金利上昇も鈍り、景気は極端な悪化をさけられる。
今週は、予想外に上昇したCPIによって、後者への期待が一気に砕かれた一週間でした。さらにFEDEXの決算からリセッション懸念も増大しています。しかし、原油はさらに下落し、PPIはやや下落しました。一方小売り売上は予想より堅調で、後者への期待が全滅したわけではありません。
9月20日・21日のFOMC後に、悪材料出尽くしとなるかどうか?それとも、さらに安値を探る動きになるのか?に焦点が当たる一週間となります。
<ウクライナ情勢>
ウクライナの反撃が進展し、一方でロシアに対するインド・中国のウクライナ侵攻への冷たい態度が目につきました。このため、ロシアが追い込まれても、核戦争に訴える可能性は低くなってきました。全体として非常に良い流れとなってきました。
次の焦点は欧州のウクライナ疲れが、ウクライナの戦果で収まるのかどうか?9月25日のイタリア選挙に関心が集まります。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2022年9月16日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1122.44/3873.33=28.98%
26週移動平均との乖離は+0.85%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。2022年7月から反発トレンドになっていますが、現在でも歴史的な安値水準にあります。
まだまだ、小型成長株は買い、と思っています。
→ 2020年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2022年8月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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