アメリカ成長株: フィッグス(FIGS)の概要
フィッグス
FIGS Inc
ティッカーコード：FIGS
上場市場：NYSE（ニューヨーク証券取引所）
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/FIGS
近頃、病院へ行くと医療スタッフのユニフォームにも様々な色やタイプがあることに気が付きます。一昔前までは、医者と言えば白衣で看護婦は白かピンクのナース服がお決まりでした。
こうしたオールドスタイルの医療用作業衣は見た目がパッとしないだけでなく機能性にも問題があり、スマホを入れておくポケットがない、作業中にズボンが下がってくるなどの不満が出ていました。この不満は世界中の医療従事者に共通しているようで、世界中の医療従事者から機能的でスタイリッシュな白衣が求められていました。
今回紹介するフィッグス社は、こうしたニーズに答える新しい医療用作業衣で成功した米国のアパレル企業です。
同社は医療系の学生だった二人の女性によって2013年に設立され、今年の5月に米国では初の女性創業者による新規上場企業となりました。
医療用の作業衣は一般に“スクラブ”と呼ばれていますが、これは英語で「ゴシゴシ洗う」という意味で、粗雑に扱える作業衣として見た目よりも丈夫であることが重視されてきました。
同社はデザイナーが手掛けた優れた見た目と最適なポケットの数・位置や立体的に考慮された縫製によってファッション性と機能性を両立し、作業衣を従来のイメージから脱却させることに成功しました。
耐久性能、抗菌性能、抗シワ性能に優れた素材を使用し、軽量で通気性があり肌触りがよく着心地も良くなっています。女性用は15色、男性用は8色と多彩なカラー展開で、スリムで動きやすく美しいシルエットを特徴としています。スクラブだけでなく帽子、マスクからソックス、シューズカバーまで統一したカラーで揃えることができます。
平均価格より2割ほど高いのですがよく売れていて、ほとんどの医療従事者が同社の製品を一度は着たことがあると言われているほどです。
以前はユニフォームとして医療機関から支給されるものでしたが、最近は個人で購入することが多くなっていることもこうした先進的なデザインのスクラブが売れている背景にありそうです。
支給されたものを受動的に着るのではなく、自分が気に入ったものを積極的に選んで購入するというスタイルが浸透していて、米国ではショッピングセンターにも医療用作業衣を扱うアパレルショップが入っているほど広く普及しています。
これだけニーズがありながら見逃されてきた需要を掘り起こしたことは高く評価されるべきでしょう。
コロナ禍で大きく低迷したアパレル業界ですが、コロナ収束後も嗜好品である一般のアパレル商品が確実に回復・成長路線に乗るかどうかは不明瞭です。それと比べると医療用アパレルは仕事に必須なアイテムであり、こちらの需要は今後も引き続き拡大していくと期待してよいと思います。
会社ウェブサイト
www.wearfigs.com
コメント