アメリカ成長企業

将来面白いことになりそうなアメリカの成長企業を紹介します。

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アメリカ成長株:KBR:米軍やNASAが使うエンジニアリング会社

鉱工業

アメリカ成長株:KBRの概要

KBR Inc
KBR
ティッカーコード:KBR
上場市場:NYSE

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/KBR

アメリカにはアメリカならではという産業があります。世界でもアメリカにしかない、あるいは世界市場の圧倒的なシェアをアメリカが押さえている産業があります。その一つの例が「国防・軍事」に関わる産業です。

世界の軍事予算のうち、約4割はアメリカが占めています。金額も膨大で年間80兆円程度となります。さらに、その機密性や期待される要求の内容から、誰でも取引先になれるわけではありません。いわゆる「産軍複合体」に属する会社が出てきます。

今回紹介するKBRは、まさにこのような会社です。同社はいわゆる「エンジニアリング会社」で、プラントの設計・調達・建設請負などを行っている会社です。しかし、日本にあるエンジニア会社と顧客が異なり、売上の2/3が「軍事関係」です。

このKBR社は複雑な歴史を持っています。社名(KBR)の成り立ちとともに、同社の歴史を書くと次のようになります。

まずKBRですが、次の3名の創業者の頭文字から来ています。
K : Kellogg : M.W. Kellogg社の創始者である、Morris Woodruff Kellogg氏のKです。
B : Brown : Brown&Root社の創始者である Herman Brown氏のBです。
R : Root : Brown&Root社の創始者であるDaniel Root氏のRです。

M.W.Kellogg社は、1901年創業の石油精製・液化天然ガス等の化学プラントのエンジニアリング会社でした。1987年にDresser Industries社に買収されました。そして、このDresser Indusritesがハリバートン社(Halliburton)に買収されました。

一方Brown&Root社は、1911年に創業の会社で、最初は道路を作っていましたが、その後ダムの建設等を経て、米軍基地の建設に関わるようになりました。1962年に、やはりハリバートン社に買収されました。ジョンソン大統領と二人三脚で、多くの軍事関係の受注を得たとのことです。

その後K社とBR社は、ハリバートン社の中で一つになり、KBRとなりました。2007年、ハリバートン社から独立し、現在のKBRとなっています。

ちなみにハリバートン社は、映画「バイス(VICE)」で有名な、ディック・チェイニー元副大統領が関連していた会社です。チェイニー氏は1995年~2000年までハリバートン社のCEOでした。

2001年の同時多発テロ→2003年イラク戦争→イラク復興となるわけですが、このイラク復興・支援事業で巨額の利益を得た会社が、ハリバートン社です。このハリバートン社の一部、かつ、国防関連・プラント建設関連の事業をしていた会社(の一つ?)が、KBRとなります。日本の会社には絶対できない(というかもらえない)仕事をしてきた会社です。

現在の事業内容は「国防・軍事」関係が2/3で、その中身は米軍(および英国軍)の基地の建設・整備、ミサイル設備や宇宙ステーションの設計や運営に関するコンサルティングなどとなっています。米軍やNASAに関わっているというだけで、その技術力の高さが想像されます。残りの1/3は、石油精製やLPG基地のような大型化学プラントに関するエンジニアリングになっています。

1/3の大型プラント関連事業は景気の波を大きくに受けますが、2/3の軍事関係の部分は安定して増加する米国の軍事予算に支えられています。産軍複合体という特殊な立ち位置で成長をしている会社です。

会社ウェブサイト
https://www.kbr.com/en

 

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