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アメリカ成長株:e.l.f.ビューティー(e.l.f. Beauty) コロナショック後の不況を追い風にする格安化粧品はチャイナリスクを克服できるか?

一般消費財

アメリカ成長株:e.l.f.ビューティー(e.l.f. Beauty)の概要

e.l.f.ビューティー
e.l.f. Beauty Inc
ティッカーコード:ELF
上場市場:NYSE

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/ELF

e.l.f.ビューティー社はエルフコスメティックスというブランド名で格安の化粧品を製造・販売していて、世界中に愛用者がいます。マスメディアを使った広告でブランドイメージを高め付加価値をつけて高く売る高級化粧品も数多くある中、同社の製品は宣伝費などの余分なコストを削ることで価格が低く抑えられています。

ユーチューブなどの動画サイトで人気のコンテンツに化粧品の比較動画があるのですが、これには必ずと言ってもいいくらい同社の製品が登場し、価格の割に品質も劣らないとして高い評価を受けています。

コストをかけて広告を打たなくても世界中のユーチューバーが勝手に宣伝してくれていて、こうしたインターネット動画はマスメディアを使った不特定多数向けの広告よりもターゲットを絞った有効な宣伝になっています。

広告費をかけなくても効果的な宣伝が世界中に発信されていることになり、これは意図しているかどうかは別にしても結果的に非常に賢明なマーケティング戦略になっていると見ることもできます。

デフレからなかなか脱却できない日本でも同社の格安コスメは100円ショップでも売られているプチプラコスメとして人気があります。一方、インフレ傾向の続くアメリカは景気が良くて高いものでもどんどん売れているイメージがありますが、実際は家賃、医療費、教育費などの生活に必須のコストが上がり続けているだけで、多くの庶民が実感できるような好景気の結果としてのインフレではないようです。

アメリカでも生活費を切り詰めなければならないのは日本と同じで、化粧品にかけるコストを少しでも下げたいというニーズは高く、比較的に裕福な層でも格安コスメを求めて99セントショップに通う人がいるくらいだそうです。

格安を売りにするブランドにありがちですが同社もご多分に漏れず製造・生産は中国に頼っていて、いわゆる“チャイナリスク”を抱えています。しかも中国で製造した商品の材料の一部が北朝鮮産であることが発覚して罰金を課せられるということが過去にあり、格安品を提供する難しさが浮き彫りになりました。

今回のコロナショックでは中国での製造が停止し、輸送ルートの寸断が起こったことで同社は大打撃を受ける事態になりました。それに加えて今回は化粧品の売り上げが激減するという打撃もあり、ダブルパンチを受けることになりました。ロックダウンのような外出規制で外を出歩くことがなくなればメイクをする必要がなくなるし、マスクをしていれば口紅を塗る必要もないわけですからこればかりはなんともしようがありませんでした。

しかし、不況に強いというよりむしろ不況歓迎といってもいい同社のような格安ブランドにとっては、コロナショックの後に来ると言われている不況が追い風になる可能性もあります。

業績については今後急回復できる可能性がありますが、製造・生産というサプライチェーンを中国に依存している側面もあります。チャイナリスクを直接伴う成長株と言えます。

会社ウェブサイト
www.elfcosmetics.com

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