アメリカ成長株: スプラウツ・ファーマーズ・マーケット(Sprouts Farmers Market)の概要
スプラウツ・ファーマーズ・マーケット
Sprouts Farmers Market Inc
ティッカーコード:SFM
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/SFM/annual
スプラウツ・ファーマーズ・マーケット社は健康志向の高所得者をターゲットにした自然食品を中心としたオーガニック食品スーパーを全米に展開しています。
加工を最小限に抑え、人工香料、食品着色料、防腐剤などの化学合成添加物を含まない製品の提供にこだわりがあり、同社の製品の約90%がこの基準を満たしています。
同社は元々普通の農産品販売店でしたが、買収によって規模を拡大し、現在は以下のような自然食品と健康・美容製品関連の事業を手掛けています。
食品関連:
・農薬や化学肥料を使わないオーガニックの野菜や果物から精肉、魚介類、バルク(業務用)食品、冷凍食品、パン・シリアル食品など健康志向の高い食材を豊富に取り揃える。
・自社ブランドのオーガニック食品も豊富で、食品売上の7割以上を占める主力事業。
健康・美容関連:
・サプリメント、ビタミン製剤、ハーブ・ティー、天然コスメ等の健康や美容に関連する商品を幅広く取り扱う。
・食品と並ぶ柱の一つで、売上全体の2割強をこの部門が貢献。
家庭用品:
・化学物質を最小限に抑えた天然素材の食器、キッチン用品やスキン、オーラルケア製品、エコバッグ等の家庭用品を取り揃える。
・主に自社ブランド商品を中心に展開するが、売上におけるウェートは1割程度。
同社は新しいトレンドや製品を顧客に提供するために新興ブランドとの協力を強化しています。
有望な新興ブランドとパートナーシップを結び、これらの商品を売り出すための専用コーナーを店舗内に設置しています。
新しい製品を早く広めたい新興ブランドにとって同社は理想的なパートナーとして認識されています。店舗内の目立つ場所での陳列によって良いスタートが切れる上に、同社に来店する客は健康志向が高く、経済的余裕があり、新しい製品やブランドに対する関心も高いため、新製品を早く広める効果が高いためです。
顧客からは同社のスーパーマーケットは以下の点で評価されています。
・新鮮なオーガニック野菜やフルーツを店舗の中心に配置したファーマーズマーケットスタイル
・健康食品やグルテンフリー、ベジタリアン向けの商品
・リーズナブルな価格で提供される自社ブランドの商品
・地元で採れた農産物
・客のニーズに合わせた分かりやすいビューティアイテムのディスプレイ
・親しみやすく丁寧な店員
・環境に配慮した商品
同社は最近業績を伸ばしていて、2022、2023年は連続で増収増益を達成しています。
これは、オンライン販売の強化、出店の加速、地産地消の促進、余剰食品の利用、自社流通網の拡充などの成長戦略が功を奏した結果です。
同社のような自然派・オーガニック系のスーパーマーケットは最近増えてきていますが、その背景にはいくつかの要因が考えられます。
まず、食品汚染に対する消費者の不安が増し、健康と環境への意識が高まっていることがあります。
遺伝子組み換え作物、PFASやPCBのような化学物質汚染、残留農薬、マイクロプラスチックなどの食品汚染への懸念が広がっており、自然でオーガニックな食品が求められるようになったのです。
また、米国人の可処分所得が増加傾向にあり、比較的高い価格帯のオーガニック食品を買う余裕が出てきたことも一因と考えられます。
米国でのオーガニック食品の売上はコロナパンデミック以降増加傾向で、オーガニック農産物の市場規模が直近10年間で平均年間成長率が7%を超えるなど市場は成長を続けています。
生産者側にもオーガニック作物は従来農法品よりも数倍高く売れるメリットがあり、オーガニック農法に転換するインセンティブになっています。
実際オーガニック作物の作付面積は増加傾向にあり、認証オーガニック農家戸数も増えていてオーガニック作物の生産増加が見込まれています。
米国には全米オーガニックプログラム(National Organic Program、NOP)というオーガニック農産物の生産と販売を促進するための認証制度がありますが、最近は規制強化に動いていおり、オーガニックの信頼性が高まっています。
同社はこうした追い風を受けて店舗を増やしており、2023年には30の新規店舗を追加して全米の23州、270店に拡大し、今後も毎年10%のペースで出店していく計画で、成長性には大いに期待できると考えてよいでしょう。
会社ウェブサイト
www.sprouts.com
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