アメリカ成長株: ガーダント・ヘルス(Guardant Health)の情報アップデート
ガーダント・ヘルス
Guardant Health Inc
ティッカーコード:GH
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/GH
ガーダント・ヘルス社については、以前一度紹介しました。下記のページも参照ください → ガーダント・ヘルス(Guardant Health)の概要
リキッドバイオプシーは、血液や尿などの液体サンプルを調べることで病気を発見したり病状を把握したりするための検査方法で、体の一部を切り出したり内視鏡を使ったりする検査に比べて簡便であるという大きな利点があります。
特に予防的な検査では痛かったり時間がかかったりする検査が避けられてしまうため、多くの人々に受けてもらうためには気軽に受けられるという要素は重要です。
以前、リキッドバイオプシーの研究・開発を行っているガーダント・ヘルス社をご紹介しましたが、認可待ちだった“Guardant 360”が2020年の8月にFDAによって正式に承認され、それまでは一部研究用にだけ提供されていたものが一般にも広く販売できるようになりました。
Guardant 360は、すでにガンに罹患している患者の血液から「どの遺伝子に異常があるか」を調べるもので、その結果から適した治療薬を選択することができます。
これまでは研究用に限った販売でしたが、承認されたことで一般に広く販売できるようになり今後売上を更に伸ばしていくものと思われます。
その他にもいくつかのツールを開発していて、GuardantOMNIは更に多い遺伝子を対象としていて、より幅広い薬剤適応性を調べられます。LUNAR-1プログラムはガン治療を受けた患者の再発チェック、LUNAR-2プログラムは無症状の健常者から初期のガンを発見するツールです。
LUNAR-2を健康診断に組み込めば血液検査のついでにガン検診ができるので、ガン治療で一番大切とされている“早期発見”に大きく貢献します。何しろガンに罹患していない健常者も対象になるわけですから市場規模は巨大です。
順風満帆にも見える同社ですが、Roche Holding AG、Foundation Medicine、Exact Sciencesなどの他社から競合するガン診断の製品が出てきていて競争が激化しており、リキッドバイオプシーの技術があるというだけで安泰というわけには行かず、他社との差別化を図っていく必要があります。
現在世界はコロナ禍の真っ只中にありますが、この状況は明らかに同社にとっては追い風となっています。これは、患者は感染を怖れて病院へ検査に行くことを避け、病院は医療資源を検査よりも感染症の対応に向ける傾向にあるためです。
その点、血液検査のような簡便な方法はコロナ禍では有利です。車にスタッフと採血機器を乗せて自宅を訪問して採血するサービスや、最近では自宅で指先から採血して郵送するだけというサービスも提供されています。
血液検査のようなリキッドバイオプシーは基本的に来院や検診の必要がないため、人との接触を減らすことが求められている現在には打って付けの検査法であり、コロナ禍が収まりそうもない現状からしても需要が伸びていくのは確実と言えるでしょう。
会社ウェブサイト
www.guardanthealth.com
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