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アメリカ成長株: アージェンクス(ARGENX):自己免疫疾患・ガンを対象とする抗体医薬の開発

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アメリカ成長株: アージェンクス(ARGENX)の情報アップデート

アージェンクスSE
ARGENX SE
ティッカーコード:ARGX
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/ARGX

アージェンクスSE社については、以前一度紹介しました。下記のページも参照ください → アージェンクスSEの概要

2020年の5月、アージェンクスSE社の開発した“efgartigimod(エフガルチギモド)”が臨床試験に成功したという発表があり、日本でも厚労省によって希少疾病用医薬品に指定され、承認され次第国内でも使えるようになりました。

同社は以前ご紹介したとおり、ガンと自己免疫疾患のための抗体治療薬を開発していて、エフガルチギモドは重症の筋無力症を引き起こす自己免疫疾患を抑えるための免疫抑制剤です。この“抗体治療薬”が現在、新型コロナウイルスの治療薬として注目されています。

ウイルスの分析が世界中で行われた結果、発症や重症化を抑えるための標的となるタンパク質が特定されましたが、この標的を狙い撃ちするにはタンパク質を動物に注射するだけで作成できる“抗体”を使うのが一番手っ取り早いからです。

新型コロナウイルスの猛威が一向に収まる気配がなく、世界中の人々がワクチンを待ちわびていますが、越えなければならない壁が高くなかなか実用化には至っていません。抗体治療薬には、有効なワクチンが完成し世界中に配布されるまでの時間を稼ぐことが期待されているのです。

新型コロナウイルスの重症化は自己の持つ免疫の暴走であり、治療には免疫抑制剤が有効であることが分かっています。同社も各種の免疫抑制剤を開発していますが、その中の一つである“ARGX-117”を新型コロナウイルスの症状緩和に使用するための臨床試験を開始しました。

ARGX-117は免疫応答に関わるC2というタンパク質をターゲットにした抗体治療薬で、重症の自己免疫疾患の免疫の暴走を抑える免疫抑制剤として第1段階の臨床実験を進めていたものです。

期待が高まる抗体治療薬ですが、大量生産ができない上に不安定であるため輸送・供給に難点があります。

そこで登場したのがラクダの仲間の“ラマ”が持つ抗体です。
ラマの抗体は一般的な抗体と比べると小さくてシンプルな構造のため
・ウイルス分子の狭い空間に入り込める
・大量生産ができる
・安定性が高い
・改造しやすい
という利点があります。

すでにラマ抗体がMARSやSARSのようなコロナウイルスに効くことが分かっていて、新型コロナウイルスの治療に使うプロジェクトも進行中です。

一部ではラマ抗体はコロナ収束の救世主とまで言われているそうですが、同社は“Simple Antibody”というラマ抗体作成サービスを提供していて、ラマ抗体の作成と免疫抑制剤の開発、両方のノウハウがある同社にとっては千載一遇のチャンスであり、今後どのように展開させるのか注目していきたいと思います。

会社ウェブサイト
www.argenx.com

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