アメリカ成長株:マイオカーディア(MyoKardia Inc)の概要
マイオカーディア
MyoKardia Inc
ティッカーコード:MYOK
上場市場:NASDAQ National Market System
業績についてのリンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/MYOK
心筋症は心臓の筋肉がなんらかの原因でうまく働かなくなり、血液を全身に送る機能が低下してしまう病気です。
心臓の動作不良は直接生命に関わることになるため、重症の心筋症では移植手術が行われることもありますが、一般的には効果を見ながら心臓の働きを改善する複数の薬物を組み合わせて投与していく形の「対処療法」がこれまでの主流でした。
しかし、心筋症の原因は遺伝的要因が大きいと言われているため、患者の遺伝子情報を反映させる方がより良い治療につながることは明らかです。事実、同じ遺伝子変異を持つ患者のグループは、同じような心臓の不具合(心臓が収縮しすぎる、拡張しすぎる、十分に収縮しないなど)を持っていることが分かっています。
同社はこの点に注目し、同じ遺伝子変異を持つグループに共通の効果がある薬剤の開発を進めていて、Mavacamten を筆頭にしたいくつかの低分子薬(MYK-491、MYK-224、HCM)が既に臨床試験の段階にあります。また同社は心筋症の分子レベルでの解明を追求していて、将来の根本的な治療を目指しています。
心臓の筋肉は多くのタンパク質から構成されていて、それぞれが厳密に調節されたサイクルで動作することで心臓を円滑に動かしています。このタンパク質は遺伝子に書かれている設計図に基づいて体内で作られているのですが、この設計図に間違いがあると正常な機能を果たすことができない、言わば「欠陥タンパク質」が作られてしまって心臓の動作に不具合が生じることになります。
具体的にどのタンパク質がどのような問題を引き起こしているのかが解明されれば、それをターゲットとした様々な治療法を展開することが可能になります。
最近はゲノム編集技術やタンパク質工学が急速に発展していてタンパク質の異常に起因する様々な疾患の治療の道が開けつつあり、同社の目指す心筋症の根本治療が可能になる日もそう遠くないところまで来てると言えるでしょう。
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