2026年1年9日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1751.58で終わりました。一週間前に比べて+78.87(+4.72%)と急反発しました。

主要インデックスのNYダウ(前週末比+2.32%)およびSP500(前週末比+1.57%)に比べても大幅にアウトパフォームしており、久しぶりに非常に強い動きとなっています。
米国がベネズエラに攻撃したため、一気に地政学的リスクが高まり株式市場への悪影響が心配されました。しかし、米国株式市場は、米国の「力による秩序政策」を前向きに評価しました。特に、これまで、大型株に対して冴えない動きが続いていた小型株に見直し買いが入り、米国小型成長株は、5%近く上昇するという非常に強い一週間でした。
従来からコメントしておりますが、大手IT、AI銘柄の割高感は顕著であり、一方で多くの投資家が既に投資ポジションを持っているため、何か理由があれば(ほんの些細な事でも)、これらの銘柄は売られやすくなっています。これまでの上昇スピードが急激であった分、下落率も強烈であり、時価総額数十兆円の銘柄が一日で10%近くも下落するという、信じられないような相場となっています。
一方で、米国小型成長株は、AIやITのウェイトが大型株に比べれば低く、また業種も幅広い分散しています。米国の基本的に高い経済成長率の恩恵を受け、米国第一主義のトランプ政策との相性も、「グローバルに展開する大型銘柄」に比べるとよくなっています。
にもかかわらず、米国小型成長株は相対的には大幅な割安水準にあります。
主力株(といっても一部の超大型AI、IT銘柄でインデックスが動かされている)に比べて、米国小型成長株は相対的に有利な点があるとおもっています。
<米国の「力による平和、世界秩序構築」政策>
今回のベネズエラ攻撃については、国際的にも国内的にも評価が分かれており、また、ベネズエラ国内の趨勢も不透明です。とりあえず株式市は好意的に反応したものの、買い材料であり続けるかは不透明です。
しかし、少なくとも今年11月の中間選挙まで、中間選挙に共和党が勝てば2028年11月まで、この政策が継続します。(ミネアポリスのデモに見るように、トランプ大統領の政策に対する米国国内の反発も非常に強くなっていますが)
この「米国の力による平和(秩序)」政策が続けば、米国、ロシア、中国の三極が、国際法ではなく力によって自分の勢力圏を確保し、それ以外の国は、この流れに従うことを強制される、という流れとなります。
この場合、欧州が一番大きな犠牲者になります。日本も台湾問題があり「米国と中国がアジアのどこで線を引くのか?」に大きな影響を受けます。(要は台湾がどちらサイドになるのか?)中国とロシアについては、中央アジアでどこに線を引くのか?グリーンランドを含む北極圏は、ロシアと米国がどのような線の引き方となるのか?ほったらかしにされる中東は、どうなるのか?等々、新しい枠組みに沿ったさまざまな局地戦が始まります。
株式市場は、これまでのところこの流れを「好感」しています。「国防費が増加」すればそれだけで有効需要が増え、景気も良くなります。(軍需ケインジアン)
しかし、一番上がっているのは金(ゴールド)です。「お金(通貨)は新しい秩序が不透明だから信頼できない。株は軍事ケインジアンの景気底上げ+インフレに勝ちそうだから、買える。しかし、本当に信頼できるのは、誰の負債でもないゴールド」。これが投資家全体の本音かもしれません。
<プライベート・クレジット問題>
この関係で注目している銘柄の一つであるジェフリーズの、2025年11月の四半期決算はファーストブランズ関連の損失があって株価はかなり下落しました。しかし、追加的な悪材料は出ませんでした。
ただし、この問題はすぐに片付くとは思っておらず、引き続き高い関心を持って見ています。
<外部材料>
従来から以下の3つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
今週も、米国小型成長株にとって、大きな材料はありませんでした。むしろ、米国の「力による秩序政策」によって、海外のいろんな問題から米国市場は隔離されている、という感じです。イランの問題も大きな影響を与えていません。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2026年1月9日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1751.58/6966.28=25.14%、
26週移動平均との乖離は+0.85%でした。

大型株(特にAI,IT)は割高であり、小型成長株は歴史的にみて大型株との比較では非常に安い場所にあります。一方で、政策は金利低下、米国第一主義で、米国小型成長株にとっては追い風です。
現在の歴史的な「ゆがみ」が訂正される相場が来ると期待しています。
→ 2022年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)

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