2025年12年5日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1688.48で終わりました。一週間前に比べて+14.32(+0.86%)と小幅続伸しました。

主要インデックスのNYダウ(前週末比+0.50%)およびSP500(前週末比+0.31%)に比べても、やや強い上昇率でした。
特に大きな材料がなく、一週間前が急騰した反動もあり、ほぼ横ばいの一週間でした。
<プライベート・クレジット問題>
この問題はすぐに片付くとは思っておらず、引き続き高い関心を持って見ています。
<外部材料>
従来から以下の3つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
今週も、米国小型成長株にとって、大きな材料はありませんでした。
<中国不動産>
まだ、大きな売り材料になっていませんが、今週は久しぶりにニュースがでました。
「碧桂園が清算回避へ正念場、万科は社債償還の延期を提案」というものです。
ここ最近、小康状態であった不動産企業の問題ですが、再び注目を集め始めています。従来からこのコメントで書いていますが、「中国政府が、公的資金を使って損失を整理しない限り、中国の不動産問題は解決しない」と思っています。金利の低下などでは解決しません。
このため、小康状態→やっぱり本質的問題が解決せず悪化→何か政策がでて、小康状態→やっぱり・・・を繰り返しながら、状況は悪化トレンドが続くと思います。
問題は、これが、米国小型成長株にダメージを与えるかどうか?です。
米国は少しずつ、中国経済とのデカップリングを進めているため、以前よりはダメージが少なくなっているのでは?特に、米国内需に依存する米国小型成長株は、と思っています。
<ウクライナ戦争の行方と追い込まれる欧州>
ウクライナ戦線の悪化は一段と強まっているなかで、今週は2つの注目されるトピックがありました。
1)米国国家安全保障戦略の中で、ウクライナの停戦交渉について「現実味のない期待を飯抱く欧州人の抵抗にあっている」と記述されています。米国はロシアとの交渉で、停戦を実現する方向に進んでいることが、一段と明確になりました。
2)欧州はウクライナ支援のために「ロシアの凍結資産を使うスキーム」を何としても進めたい、そして、抵抗しているベルギーの説得に全力を挙げています。
あと半年で、ウクライナは財政破綻します。破綻させないための選択肢は、「ロシア資産を使う」、あるいは、「緊急パッケージの継ぎ合わせでお金を作る」の2つです。
冷静かつ合理的に考えれば、「緊急パッケージのパッチワーク」しか道がないのですが、「ロシアが潰した物はロシアが弁償する」という絵を描きたいEU委員会は、「何としてでも、ロシア資産を使いたい」という方向にあります。
しかし、本当にそれでいいのでしょうか?
ベルギーも主張していますが、どう考えても
・ロシアは負けない = 賠償金は払わない
・ユーロクリアは訴訟され、国際法上、ほぼ間違いなくロシアが裁判に勝つ
・その場合、使った利子と元本+損害賠償+遺失利益・・・等々、将来EUはとんでもない金額をロシアに支払うはめに陥る
・さらに国際法を破ったEUとユーロクリアの信頼性は暴落する
この「ロシア凍結資産の活用スキーム」は、「感情的には良い」が「全く合理的な選択とはいえない」しろものです。ロシアの長期的な大勝利をもたらします。
せめて、欧州が合理的な判断をして、「緊急パッケージのパッチワーク」で、ウクライナの財政破綻危機を乗り切ってほしいと思います。そして、これで時間を作っている間に、「本気かつ根本的な解決方法=長期かつ大規模なEU債の発行」に進んで欲しいと思っています。
欧州全体の経済規模はロシアの数倍あります。本気になれば(=EUが一枚板になって、福祉等を犠牲にして、富国強兵すれば)、長期的にはロシアは問題にならないはずです。しかし、小手先の変革すらできず、ここまで追い込まれています。何とか、欧州には目を覚まして欲しいと思っています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2025年12月5日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1688.48/6870.40=24.58%、
26週移動平均との乖離は+0.86%でした。

この数週間、「金利低下の期待の鈍化」「AI 銘柄のバリュエーションに対する懸念」という2つの売り材料により、「リスクオフ」→「相対的に経営力の弱い米国小型成長株はさらに売り込まれる」という流れでした。しかし、この流れが少し改善し、上記の比率も24%半ばまで改善しました。
トランプ政権の「米国一国主義」は、全体としては米国小型成長株にとってプラスです。長期的なリカバリー相場が来ることを期待しています。
→ 2022年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)


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