2025年11年28日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1674.16で終わりました。一週間前に比べて+99.37(+6.31%)と急反発しました。

主要インデックスのNYダウ(前週末比+3.18%)およびSP500(前週末比+3.78%)に比べても、上昇率は突出しており、この数週間の相対的な損失を一気に取り返す、非常に強い一週間でした。
企業業績は相変わらず全体として堅調でした。一方この数週間さえない相場を作った「金利低下期待の鈍化」「AI銘柄の割高感による利食い売り」という2つの弱気材料の「持続性がなくなった」ことから、一気に買い戻しが進み、この数週間「相対的に売り込まれ、割安であった米国小型成長株」は株価の修正が大幅に進みました。
<プライベート・クレジット問題>
この問題はすぐに片付くとは思っておらず、引き続き高い関心を持って見ています。
ジェフリーズ証券に対してSECが調査を開始したというニュースも出ており、まだこの問題がどのような展開になるのか、まったくわかりません。
<外部材料>
従来から以下の3つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
今週も、米国小型成長株にとって、売り材料はありませんでした。
<ウクライナ戦争の行方>
米国の28条の停戦条件に対して、ウクライナと欧州が修正を求めました。しかし、戦場の現実を知っている米国が、「ウクライナが合意できる条件に修正」を真剣に考えるとは思えません。この一週間も、さらに戦線の状況は悪化が加速しており、なおさらです。
また、ウクライナではゼレンスキー大統領の最側近が汚職で失脚しており、政権がどうなるかさえ不明です。
さらに、ベルギーが改めて「(ウクライナ支援のための)ロシアの凍結資産の活用」に反対しました。今回は、「(もしロシアの凍結資産に手を付けたら)米国が進めている停戦交渉に悪影響を与える」という「追加」の理由も添えました。もちろん、本当の理由は「ウクライナは勝てそうになく、ロシアの賠償金支払いなど期待できない」からです。むしろ、ロシアから損害賠償請求を食らう可能性の方がはるかに高く、国家存亡の危機のベルギーが同意するとは思えません。
前回のこのコメントでも書きましたが、戦線の状況、ウクライナの政治状況、欧州のウクライナ支援のための資金問題、全てが「煮詰まった状況」となっており、停戦について、大きな変化が起こる可能性がでてきました。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2025年11月28日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1674.16/6849.09=24.44%、
26週移動平均との乖離は+0.39%でした。

この数週間、「金利低下の期待の鈍化」「AI 銘柄のバリュエーションに対する懸念」という2つの売り材料により、「リスクオフ」→「相対的に経営力の弱い米国小型成長株はさらに売り込まれる」という流れでした。しかし、この流れが少し改善し、上記の比率も24%半ばまで改善しました。
トランプ政権の「米国一国主義」は、全体としては米国小型成長株にとってプラスです。長期的なリカバリー相場が来ることを期待しています。
→ 2022年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)

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