2025年9年19日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1645.13で終わりました。一週間前に比べて+48.80(+3.06%)と大幅続伸しました。
主要インデックスのNYダウ(前週末比+0.94%)およびSP500(前週末比+1.10%)に比べるても、久しぶりに「強烈に強い」動きでした。
ついに、FRBが利下げしました。
そして、やっと米国小型成長株が強い動きになりました。
しかし、まだまだ主力株に比べると「猛烈な割安」状況です。
<トランプ政策>
トランプ政権は、大統領選挙での公約を「かたくなに、摩擦を無視して」実行しています。関税は引き上げられ、各国から米国内投資への約束を取り付け、不法移民は本国送還を強行することで不法移民の流入は抑え込まれています。
公務員の数も大幅に削りました。一方で減税もしました。
「やると言ったことは、やった」、これからは「結果を見よう」というステージです。
現時点では、SP500 もNYダウも高値更新となり、株価は全体として好感しています。しかし、期待していた米国小型成長株は、まだまだ主力株に比べて「相対的に負けている状態」が続いています。
スタグフレーションへの懸念が完全には払拭されておらず、2024年11月末時点を基準にすれば、ラッセル2000グロースはSP500 に対して(この数週間でかなり改善したきたものの)7%程度アンダーパフォームしています。
今後、トランプ政権の政策の結果が、経済に反映されます。
<外部材料>
従来から以下の3つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
今週も、米国小型成長株に悪材料となる動きはありませんでした。
しかし、懸念されている欧州の問題は全く改善していません。
フランスでは、反政府のデモが頻発しています。英国も全く状況改善はありません。
トランプ大統領がイギリスを訪問したのですが、「ウクライナについては失望している」というだけで、(欧州にプラスになるような)具体的な行動は期待で着ない状況です。
トランプ政権は、「米国が対ロシアで制裁を強めるには、NATO諸国はロシアからのエネルギー輸入を完全停止し、かつ、ロシアからエネルギー輸入を続ける中国に高い関税をかけろ」と、欧州に圧力をかけています。(日本も無関係ではありませんが)
欧州が、中国製品に懲罰的高関税をかけることなど不可能であり、実質的に「米国はロシアに圧力をかけない」ということを意味します。
この場合、欧州はアメリカからのロシアへの圧力無し(=ウクライナの劣勢がさらに悪化)で:
・国内の財政問題に対処
・しかし、国防費は増額が必要(アメリカとの約束)
・さらに、ウクライナへの援助も増加が必要(アメリカは手を引く)
・移民問題とガザの問題で、国内の緊張は高まる
という非常に厳しい状況に置かれています。
一方で、ウクライナの戦況は一段と悪化しています。(以前から言っていますが、日本の報道は、本当に中立性に欠けており、ウクライナが「ガク」っと来た時、どうするのか?と心配になります)
また、今後のウクライナの財政支援については不透明感が一段と高まっています。
米国小型成長株にとっては、「アメリカとロシアの緊張関係がエスカレートしないのはプラス」です。しかし、欧州問題がどこかで「欧州の全面売り、特に欧州の国債市場の暴落」という状況まで悪化した場合には、無視できない影響を受けます。
いったい、欧州の問題がどこまで悪化していくのか?については注視が必要です。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2025年9月19時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1645.43/6664.36=24.69%、
26週移動平均との乖離は+1.03%でした。
現在の水準は「この比率の新安値」です。米国小型成長株は、新たな「相対的な下落水準」に落ち込んでいます。長期的にみれば「異常値」がさらに「異常に」なっている状況です。
しかし、トランプ政策は長期的には米国小型成長株にとってプラスであると思っています。
「超割安な小型成長株の、長期的な買い場」を提供していると思っています。
→ 2021年6月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
コメント