2025年9年5日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1584.70で終わりました。一週間前に比べて+15.13(+0.96%)と続伸しました。
主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.32%)およびSP500(前週末比+0.33%)に比べてもやや強い動きでした。
週の前半はAI関連銘柄に利食い売りが入り軟調に推移しました。しかし、9月5日に発表された雇用統計が予想よりかなり弱く、FRBによる利上げ観測が一段と高まりました。長期金利の低下もあり、小型成長株はかなり強い動きとなりました。
<トランプ政策>
トランプ政権は、大統領選挙での公約を「かたくなに、摩擦を無視して」実行しています。関税は引き上げられ、各国から米国内投資への約束を取り付け、不法移民は本国送還を強行することで不法移民の流入は抑え込まれています。大型減税も行いました。
「やると言ったことは、やった」、これからは「結果を見よう」というステージです。
現時点では、SP500 もNYダウも高値更新となり、株価は全体として好感しています。しかし、期待していた米国小型成長株のラリーはまで来ていません。
スタグフレーションへの懸念が完全には払拭されておらず、2024年11月末時点を基準にすれば、ラッセル2000グロースはSP500 に対して(この数週間で少し改善したきたものの)8%程度アンダーパフォームしています。
今後、トランプ政権の政策の結果が、経済に反映されます。
<外部材料>
従来から以下の3つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
今週は、米国小型成長株に悪材料となる動きはありませんでした。
懸念されるのは、欧州政治です。英国とフランスの債券利回りが非常に危険な事になっています。
共通しているのは、「財政は悪化している。さらにこれから国防費の増額+ウクライナ支援で支出は増える。しかし財政を均衡させるための増税や社会保障削減には国民の反発が厳しい。一方で、国債利回りは見ると、債券市場が耐えられる余力も非常に限られており、国債発行での解決も厳しい」という状況です。八方塞がりです。
英国では、閣僚の不祥事もあり、内閣のシャッフルが行われています。
フランスは政権の信任投票が否決される可能性が高くなっています。
増税か?社会保障削減か?アメリカとの約束を反故するか?(=防衛費増額をやめる)ウクライナを見捨てるか?(ウクライナ支援を削減)・・・何かをしないと、国債暴落になってもっと厳しい状況に追い込まれます。
英仏の国債が暴落となった場合、米国小型成長株にも明らかにマイナスの影響がでます。注意が必要です。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2025年9月5時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1584.70/6481.50=24.45%、
26週移動平均との乖離は+0.85%でした。
現在の水準は「この比率の新安値」です。米国小型成長株は、新たな「相対的な下落水準」に落ち込んでいます。長期的にみれば「異常値」がさらに「異常に」なっている状況です。
しかし、トランプ政策は長期的には米国小型成長株にとってプラスであると思っています。
「超割安な小型成長株の、長期的な買い場」を提供していると思っています。
→ 2021年6月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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