2025年1月24日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1535.54で終わりました。一週間前に比べ+29.96(+1.99%)の続伸となりました。主要インデックスのNYダウ(前週末比+2.15%)及びSP500(前週末比+1.74%)と比べても同程度の動きでした。
ついに、トランプ大統領が就任しました。矢継ぎ早に大統領令を出しましたが、心配された「大幅な関税」はなかったため、安心感から株式市場は堅調に推移しました。
<トランプ政策と米国小型成長株>
「トランプ政策は米国小型成長株にとっては、全体としてはプラス」と思っています。
背景は
・需要サイドは、大型株は「グローバル展開」しているのに対して、小型株は「より米国国内景気主導」であり、アメリカ第一主義のトランプ政策は小型成長株にとって追い風になると考えられます。
・問題は、インフレと金利の動きです。
悪いシナリオは、
関税によって輸入物価は上がる。移民を締め出すことで、労働需給がひっ迫することで賃金も上がる。一方で、景気は強い。結果的にコストプッシュ型+ディマンドプル型のダブルでインフレ率が再び上昇し、FRBは緩和姿勢を維持できない。
一方良いシナリオは、
DOGE(政府効率化省)によって規制緩和、財政規模削減、公務員の大量解雇により、
インフレ圧力は緩和される。特に環境関連の規制緩和によって石油生産も増加し、エネルギー価格は下落する。これらにより、関税上昇によるインフレ圧力は緩和される。
さらに、財政改善により米国国債市場の需給が改善し、長期金利は下がる。
一方、規制緩和+輸入締め出しによって、国内企業の業績は改善する。
STARGATEの発表で大手IT会社は堅調に推移していますが、すでに相当割高です。
一方で、トランプ政策の追い風を受けやすい米国小型成長株は割安です。
長期的な米国小型成長株の上昇相場(主要インデックスに対するリカバリー相場)が始まると期待しています。
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
トランプ氏が大統領となったことから、4つ全て、非常に大きな影響を受けます。
既に中東ではガザの停戦合意がなされました。サウジとも直接交渉が始まっています。
ウクライナについてもロシアに停戦交渉に参加するように圧力を開始しました。
中国には関税を使った圧力、欧州政治は、まずはドイツ選挙で直接様々な影響を受けます。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2025年1月24日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1535.54/6101.24=25.17%、
26週移動平均との乖離は-0.16%でした。
この3年間、小型成長株は相対的に「大負け」の状況です。
金利上昇、一部の大型IT・AI企業の上昇など、負け材料が連発でした。
現在の小型成長株の相対的な水準は、この20年間で最低水準にまで下がっています。
主力インデックスに比べて、「歴史的な割安状態」にあります。
トランプ政権によって、「超割安な小型成長株の、長期的な回復相場が始まる」と期待しています。
→ 2021年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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