2024年12月20日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1485.71で終わりました。一週間前に比べ-55.27(-3.59%)の大幅続落となりました。主要インデックスのNYダウ(前週末比-2.85%)とSP500(前週末比-1.99%)と比べるとかなり弱く、2週連続で厳しい一週間となりました。
米国株式市場は、「米国のインフレは予想より粘着性が高く、FRBの利下げペースは予想より遅く、また利下げ幅も少なくなる」という懸念によって冴えない動きとなっています。
12月18日のFRBのパウエル議長の定例記者会見の内容が上記の懸念を強めたため、株式市場は大暴落となり、特に金利に敏感な小型成長株は主力株の下げを大きく上回る下落となりました。
12月20日に発表されたPCEの物価指標が予想より上昇率が低かったことから、少し市場は落ち着きを取り戻したものの、2週連続で米国小型成長株には厳しい状況となりました。
しかしながら、インフレが加速しているわけでなく、一方で景気の底堅さは確認されています。ただし、大型株は先日のウォールストリートジャーナルの記事にあるように、「割高感」が顕著です。
市場環境が落ち着けば、割安は米国小型成長株の相場が来ると思っています。
<トランプ政策と米国小型成長株>
「トランプ政策は米国小型成長株にとっては、全体としてはプラス」と思っています。
背景は
・需要サイドはプラス :
米国内での需要の成長は加速すると予想される。
・供給(調達)サイドは不明 :
輸入物価には上昇圧力がかかるものの、エネルギー価格低下が期待できる。
・金利要因も悪化懸念が減少 :
インフレ圧力+減税による財政悪化懸念というマイナス材料と、経済成長による税収増+政府の効率化による赤字削減期待というプラス材料、が混在する。
新財務長官はある程度財務規律を重視すると期待されるため、大幅な長期金利上昇にはならないのではないか?
という感じです。
さらに、米国小型成長株は長期的な視点で割安であるため、長期的にはプラスの影響が大きく反映すると期待しています。
<外部材料>
従来から、以下の4つの材料を懸念しています。
・中国経済
・欧州政治
・中東問題
・ウクライナ
トランプ氏が大統領となったことから、4つ全て、非常に大きな影響を受けます。
今週は、米国小型成長株に大きな影響を与える材料は出ませんでした。
(シリアにおけるイスラエルとトルコの傍若無人、ドイツの内閣不信任、ウクライナ戦線でのロシアの占領地域の拡大、などはありましたが、特に流れが変わる材料ではありません)
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2024年12月20日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1485.71/5930.85=25.05%、
26週移動平均との乖離は+-0.28%でした。
この3年間、小型成長株は相対的に「大負け」の状況です。
金利上昇、一部の大型IT・AI企業の上昇など、負け材料が連発でした。
現在の小型成長株の相対的な水準は、この20年間で最低水準にまで下がっています。
主力インデックスに比べて、「歴史的な割安状態」にあります。
トランプ政権によって、「超割安な小型成長株の、長期的な回復相場が始まる」と期待しています。
→ 2021年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2024年11月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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