2023年10月27日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1037.35で終わりました。一週間前に比べ-31.42(-2.94%)と大幅続落しました。主要インデックスのNYダウ(前週末比-2.14%)やSP500(前週末比-2.53%)に比べても、引き続きやや弱い動きとなっています。
中東情勢や一段と緊張が高まり、さらに金融引き締めの長期化観測もあり、ハイテク銘柄を中心にかなり下げました。小型成長株は相変わらず市場が下落している時は冴えない状況が相対的にも続いています。
<米国政治>
やっと下院議長が決まりました。次は、予算の戦いになります。共和党、民主党ともに、大統領選挙を意識し、さらにウクライナとイスラエルで内部のごたごたがあるため、今後どのような経緯を経ていくのか非常に予測が難しくなっています。
<外部材料>
パレスチナでの人道的休戦についての国連総会決議の結果を見ると、イスラエルを支持する国より、パレスチナに同情する国の方がはるかに多いことが明確となりました。
もちろん、イスラエルは世界中で迫害された経験を持つユダヤ人の国なので、国連決議があっても「やるべきことはやる」国家です。
しかし、イスラエルを支えているアメリカがどこまでイスラエルに付き合えるのか?米国の民主党の中にも親パレスチナもいるため、アメリカの軌道修正も必要となります。
逆に、イスラエルの強硬な行動をアメリカが支え続けた場合、「戦争は絶対悪ではなく、相対悪」「理由があれば他国を攻撃することも正義」となり、これまでロシアに対して「G7を中心とする西側先進国は正義の立場にいる」という根拠が、薄くなっていきます。(正義ではなく、単なる国益にそって、動いているだけではないのか?という批判が起こる。)
結果的に、対ウクライナ戦線におけるアメリカ+G7の孤立が強くなります。非常に重要な岐路に来ています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2023年10月27日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1037.35/4117.37=25.19%
26週移動平均との乖離は-1.90%でした。
2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から27%~28%程度で「底値での横這い」という感じでしたが、2023年9月にはいり、さらにこのレンジを下に突き抜けています。不透明な外部材料が目白押しとなり、小型成長株は、さらに厳しい状況となってきています。
上記の分析は単純にインデックスの水準だけを比較したものですが、ファンダメンタルデータ(利益水準およびPER)で比較しても、現在の小型成長株はかなり割安です。
「小型成長株は割安」になって1年以上となりますが、そろそろ小型成長株相場が来て欲しいと思っています。
→ 2020年4月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年9月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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