2023年10月6日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1120.67で終わりました。一週間前に比べ-20.31(-1.78%)と反落しました。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.30%)やSP500(前週末比+0.48%)とほぼ横ばいであったため、相対的にはかなり弱い動きでした。
長期金利の高さから、週の半ばにかけて株式市場は軟調でした。しかし、金曜日の雇用統計で、賃金の上昇率が鈍ったこと、さらにUAWのストも終結が見えたことから少し安心感が広がり、下げ止まりました。
<米国政治>
先週のこのコメントで書いたように、「つなぎ予算を通すために、共和党主流派が共和党強硬派を切ったこと」はそのままでは収まらず、今週は下院議長解任をいう結果を招きました。
また、バイデン大統領がメキシコ国境との「壁」の建設を再開すると発表する大きな政策転換もあり、議会・ホワイトハウスともに混乱が続いています。
<外部材料>
従前から、そして引き続き、
・中国経済
・ヨーロッパ政治
・ウクライナ情勢
が、米国小型成長株に影響を与える材料と思っています。
今週は大きな動きがありませんでした。
ポーランド選挙の経過を見たいと思っています。ウクライナ情勢については、「何もなかった」ということは、ウクライナにとってマイナスです。
しかし、予想外の大きなニュースが入ってきました。ハマスがいきなりイスラエルに襲いかかりました。イスラエルも即座に反撃し、双方で500以上の犠牲者がでるという大惨事になっています。
中東の問題は、中東のみならず、原油価格を通じて世界経済に影響を与えます。
さらに、ハマス→イラン、難民問題でヨーロッパ政治、米国のイスラエル関与によるウクライナへの関与低下リスクという形でウクライナ情勢にも影響を与えます。また、グローバルサウスがイスラエルよりハマスを心情的に支持するリスクもあります。
今回のハマス・イスラエル戦争?の余波は、非常に懸念されます。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2023年10月6日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1120.67/4308.50=26.01%
26週移動平均との乖離は-1.36%でした。
2020年12月中旬に長期的な持ち合いレンジを上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から27%~28%程度で「底値での横這い」という感じでしたが、2023年9月にはいり、さらにこのレンジを下に突き抜けています。
上記の分析は単純にインデックスの水準だけを比較したものですが、ファンダメンタルデータ(利益水準およびPER)で比較しても、現在の小型成長株はかなり割安です。
「小型成長株は割安」になって1年以上となりますが、そろそろ小型成長株相場が来て欲しいと思っています。
→ 2020年4月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年8月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
コメント