2023年6月9日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1209.02で終わりました。一週間前に比べ+21.33(+1.80%)と続伸しました。主要インデックスのNYダウ(前週末比+0.34%)やSP500(前週末比+0.39%)の上昇率も上回り、先週に引き続き小型成長株が強い一週間一週間でした。
主力インデックスはほぼ横ばいとなっており、売られ過ぎた小型成長株に、やや買い戻しがあった局面でした。
市場環境は、景気と金利についてまだまだ不透明ですが、小型成長株はチャート的には、下値が固まってきた感じです。「大きな売り材料」がでなければリカバリー相場となりそうです。
しかし、金利はまだピークアウトしていません。シリコンバレー銀行の破たんのように「たまってきたマイナス材料が爆発する」リスクを用心しながらの相場となります。
<ウクライナ>
善悪の視点は別にして、「何が実際起こっているのか」を知ることは、投資にとって重要です。今週はついに「南部戦線でウクライナの大規模な反転侵攻」が開始されたようです。
このコメントでは「日本のメディアの意見(およびそのニュースソースである西側政府+欧米メディア+欧米シンクタンク)」VS「(これまでの実績から)中立と思われる、いつかのユーチューバーの意見」を比較してきました。
いつも通り、「ウクライナの大規模反転攻勢」について、この2つに大きな乖離が見られています。
日本のメディアは
「ウクライナの第一波は成功しなかった。但し、ロシア側から損害について報告されているが、これはかなり膨らんだ数字。ましてや、この第一波は、偵察作戦(みたいなもの)。今後第二波、第三波が予想される。それよりも、ダムの破壊はとんでもない。」と、第一波が成功うまくいかなかったことを「軽く」報道し、ダム破壊に焦点をあてています。
しかし、ユーチューバーは、かなり違っています。
「ウクライナの第一波の損害は甚大。西側から提供された武器もかなり破壊された。ロシアが一方的にウクライナの被害を発表しており、ウクライナは沈黙している。この沈黙こそが、被害の甚大さを示している。
この段階でウクライナの反転侵攻が終わることは考えられないが、第一波失敗で受けたダメージのコントロールは非常に難しい」と、ダムについては数日触れただけで、第一波失敗後のウクライナの動向に焦点を当てています。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2023年6月9日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1209.02/4298.86=28.12%
26週移動平均との乖離は-0.28%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
2022年7月から反発トレンドでしたが、米国の地方銀行破たん、米国連邦政府の債務上限問題などで、相対的に財政基盤の弱い小型成長株は厳しい動きが続いています。
市場環境は引き続き厳しいですが、長期的な視点で見れば、小型成長株は歴史的な買い場となっています。
→ 2020年1月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2023年4月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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