2022年5月27日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1135.42で終わりました。一週間前に比べ64.32ポイントの急反発(+6.01%)でした。主要インデックスのNYダウ(+6.24前週末比%)やSP500(前週末比+6.58%)もほぼ同水準の、全面高の1週間でした。
3月末から一貫して下げ続けたところで、連銀のミニッツの内容が予想の範囲内であったことから、一気に買戻しが起こりました。
まだ、テクニカル的な反発の範囲なので、市場の落ち着きを期待したいところです。
小型成長株の動きはここ数週間主力株と同程度であり、小型成長株の相対的な負けはそろそろ終わりを迎えていると期待しています。
<ウクライナ侵攻>
今週テキサスの小学校で銃乱射という痛ましい事件があり、CNNやFOX等のウェブサイトはこの事件一色でした。また、バイデン政権の支持率低下も相変わらず厳しく、インフレへの批判が一段と厳しくなっています。ウクライナ侵攻への関心が、米国内では少し薄れてきたのでは?と心配されます。少なくとも、米国成長株市場にとっては、ウクライナ情勢は重要な材料ではなくなっています。
ところで、2週間前のこのコメントでは、今後の流れは「世論」が決めるのでは?と書きました。先週は、「時間はウクライナの見方」から「時間はウクライナの敵」に変わりつつあるのか?と書きました。最近の情勢を見ると、非常に残念ですが、ともにウクライナにとってマイナスの方向に動いています。
まず、戦局はドンバスでのロシア軍の攻勢が勢いを得つつあります。そして、経済破綻したスリランカは、ロシア産原油の輸入をしているとの報道がありました。
国際社会では、途上国での飢餓問題が一段とクローズアップされています。ロシアはこのタイミングで、「ロシアは食物・肥料を輸出して、世界の危機を救いたい。邪魔しているのは西側先進国の経済制裁」とのメッセージを出しました。独仏首脳との電話会議でも、「制裁解除要求」を含めながら、この点に触れています。
ダボス会議では、「ウクライナでの戦争を、とにかく早く終わらせるべき。そのためには、ウクライナは領土的譲歩も必要では?」というコメントが、公然と言われ始めました。
ウクライナは、西側先進国からの経済・武器支援で、この苦境を跳ね返せるのか?6月に入ると西側先進諸国から提供された武器が配備され、本格反攻が行われると言われています。しかし、国際世論が「何が何でもウクライナ支持」→「とにかく戦争を終わらせる」の流れが強まり、反転攻勢が効果を上げるまで待てない可能性もあります。
ウクライナが厳しい状況に追い込まれるのか?それとももう一度押し返せるのか?重要な局面に差し掛かってきました。
<小型成長株の押し目買い>
引き続き、毎日少しずつグレートスモールを買っています。急落時に購入したシルバーゲートも反発に転じてきました。(暗号通貨市場はいまだ不安定なので、シルバーゲートの購入は、非常に絞っていますが)
木曜日・金曜日の急上昇で、良好な感じになってきました。短期的なリバウンドはシルバーゲートを利食いながら、引き続きグレートスモールの購入を続けます。
<小型成長株相場とラッセル2000グロース VS SP500 >
2022年5月27日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1135.42/4158.24=27.31%
26週移動平均との乖離は-1.70%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、2013年から長期的に32%~38%のレンジで推移してきました。2020年12月中旬にこのレンジを一次上に離れ43%まで急上昇しました。しかし、その後継続的に下落し、レンジの下を抜けました。
現在の水準は、2020年のコロナの最悪期をも超え、リーマンショック以来の歴史的な割安水準になっています。相対的には歴史的な買い場となっており、非常に魅力的な投資機会を提供していると思っています。
→ 2019年10月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2022年4月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
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