2020年10月23日の米国小型成長株インデックス(Russell 2000 Growth)は、1202.72で終わりました。一週間前に比べて、11.47ポイントの下落(-0.94%)でした。主要インデックスのNYダウ(前週末比-0.95%)やSP500(前週末比-0.53%)も同じく小幅下落しています。新規コロナ感染者数がかなり増加し、一方経済対策については下院民主党との交渉が長引いていることから、やや弱い動きになりました。
<コロナと株式市場>
欧州の新規感染者は3月~4月の数倍(国よっては10倍近く)というレベルまで急増しています。欧州政府の多くは、そのダメージの大きさから何とかして避けようとしていたロックダウンも、導入せざるを得ない状況に追い込まれています。
米国の場合、まだ現在のレベルは7月~8月のレベルと同じ水準であるものの、インドやブラジル、スウェーデンのように「集団免疫を示唆する」状況になっていません。「欧州よりかなり軽症、しかし、楽観はできない」という感じです。大統領選挙の結果によっては、再び株式市場は下に振られるリスクがでてきたと思います。
<大統領選挙>
最後の討論会が終わりました。メディアの評価を見ると、トランプ氏がうまくやったようです。Real Clear Politicsの激戦州のデータを見ると、「投票日まで10日前時点」では、2016年とまったく同じ状況になっています。激戦州における「民主党候補の対トランプ氏リードの平均は3.8%」であり、2016年と同じ水準となっています。
2016年は最後の10日間でトランプ氏が急速に差を詰めたことから、最終的には1.1%(クリントン氏がリード)なっています。しかし、今回は既に多くの選挙民が期日前投票+郵便投票をしています。トランプ氏の追い上げはさらに急速でないと、追いつけない→選挙で逆転勝利にならない、事になります。最高裁判事、スーダンとイスラエルの国交正常化、積極的な選挙活動でどこまで迫れるのか?うまく行っても、「判断が難しい選挙結果で、数か月ぐちゃぐちゃな政局が続く」程度まででは、と思っています。
この2週間の米国株式市場は、「コロナ感染者の増加」というマイナス材料と、「消費の回復」+「追加経済対策」+「ロックダウンはしないだろうという期待」というプラス材料で、バランスが取れた状態です。
バイデン氏が大差で圧勝しないかぎり、(あるいは超予想外ですが、トランプ氏が大差で圧勝しない限り)、投票後はぐちゃぐちゃな政局になります。この心配を背景に、選挙前に一度リスクオフになる可能性があります。
<米国の小型成長株の割安について>
10月23日時点の、ラッセル2000グロース÷SP500は1202.72/3465.39=34.71%
26週移動平均との乖離は、+1.27%でした。
ラッセル2000グロース÷SP500は、長期的に32%~38%のレンジで推移していました。
短期的には中立、長期的には割安となっています。
→ 2019年4月以降の小型成長株とS500の相対比較の推移
→ 小型成長株関連投資信託のパフォーマンス(2020年9月末時点)
(過去の市場コメントは、「アメリカ成長株(米国成長株)市場」)
コメント