アメリカ成長株:シフト(Shyft Group)の概要
シフト
Shyft Group Inc
ティッカーコード:SHYF
上場市場:NASDAQ
業績リンク
https://stocks.finance.yahoo.co.jp/us/annual/SHYF
ニッチ市場に特化した会社は、規模が小さくても高い成長可能性を持ちます。今回紹介するシフト社は、「業務用運搬車両・特殊車両の製造・販売」に特化した会社です。
同社は1975年に設立された長い歴史を持ちます。元々はスパルタン・モーターズという社名でした。当社は消防自動車のシャーシ等、緊急車両関連の改造車が中心でしたが、その後、成長市場である「業務用車両事業」を拡大しました。
2000年以降、以下のように積極的なM&Aを行ってきました。M&Aの目的は、ウォークスルーバン(宅配業者等の利用する社内で移動しやすいように高い屋根等の構造を持つ配送車)等の業務用運搬車両事業への進出・拡大および、米国全体に事業エリアを展開することです。
2009年:Utilimaster社
2017年:Smeal Fire Apparatus社
2018年:Strobes-R-Us社
2019年:General Truck body社 (西海岸への進出)
2019年:Royal Truck Body社 (サンベルト地域=メキシコ国境沿い、への進出)
一方で、「緊急車両事業」については、2020年に他社に売却しました。これらの事業の買収・売却により、事業のウェイト変更があったことから、2020年に社名を「スパルタン・モーターズ(Spartan Motors)→シフト(The Shyft Group)へと変更しました。
同社の場合、自動車メーカーではないので、ベースとなる車両を改造する事がメインの仕事となります。例えば、トラックの荷台部分を改造して、宅配業者用車両を作る、というケースです。
同社が扱っている車両は以下の通りです:
1)業務用運搬車両(Fleet Vehicle Services)売上の約75%
・ウォークスルーバン:宅配業者等の利用する「社内で移動しやすいように高い屋根等の構造」を持つ配送車
・業務用トラック:飲料等を運ぶ改造されたトラック(例:コカ・コーラ)
・カーゴ・バン・アップフィッツ:アップフィッツとは荷台を改造して上に付け加えたもの(例 FedEx、USPS:アメリカ合衆国郵便公社)
2)特殊車両(Specialty Vehicles)売上の約25%
・トレーラーのシャーシ
・レッカー車
・委託生産;米国における、いすゞ自動車やグランデウェスト社(カナダのバス製造会社)の委託生産も行っています。
業務用運搬車両は、コロナによる巣ごもり需要により、堅調に推移しています。2020年1Qでは、売上高は対前年比19%増となっています。(2019年はUSPSからの大型受注があったため、USPSは除く)また、修正EBITDAはコストダウンもあり大幅に改善し、138%増となっています。
一方で、特殊車両の方は、経済活動全体の低迷により大きく減少しました。2020年1Qでは、対前年比で売上高はマイナス27%、修正EBITDAはマイナス51%となりました。しかし、2Q以降米国の経済活動の再開もあり、対前年並みまで持ち直しています。
米国のネット販売による宅配需要は、2019年の5750億ドルから、2028年には1兆2000まで成長すると期待されています。メインの業務用運搬車両事業は、市場全体の成長というフォローの風を受けます。安定的な成長企業として注目しています。
会社ウェブサイト
https://theshyftgroup.com/
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