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アメリカ成長株:ジーンDxホールディングス(GeneDx Holdings):遺伝子検査を提供

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アメリカ成長株:ジーンDxホールディングス(GeneDx Holdings)の概要

ジーンDxホールディングス
GeneDx Holdings Corp
ティッカーコード:WGS
上場市場:NASDAQ National Market System

業績についてのリンク
https://finance.yahoo.co.jp/quote/WGS/performance

ジーンDxホールディングス社は、主に希少疾患や発達障害などの遺伝性疾患を迅速・正確に診断するための遺伝子検査を提供しています。
同社はあらゆる遺伝性疾患が早期に診断され、適切な処置によって病気の進行が防がれ、すべての患者が長く健康的な生活を送れる世界を目指しています。

遺伝子には体内で作られるタンパク質の設計図と、その働きの制御、細胞の成長や分化の調節、遺伝的な特徴や体質の決定などに関わる膨大な量の情報が含まれています。
近年、驚異的に進歩したシーケンシングという遺伝子の塩基配列を解読する技術によって、遺伝子全体の網羅的な分析が可能になり、個人の体質や疾患のなりやすさ、遺伝的な特徴などを知ることができるようになりました。
これによって特定の病気の原因や治療法の選択にも役立つ重要な手がかりも得られるようになり、より個別化された医療や予防策の実現に大きく貢献しています。

同社の主要なサービスは以下の通りです。

1.エクソームシーケンシング1
・全遺伝子のうち、タンパク質の設計図が含まれる部分(エクソーム)に特化した次世代シーケンシング技術。
・主に原因不明のてんかん、発達遅延、知的障害、先天異常などの患者に対して遺伝的な原因を特定するための検査。
・高精度・高解像度で多くの遺伝子の変異を一度に検出できる。
・診断率の向上、早期発見、治療方針の決定に役立ち、臨床的価値が高い。
・染色体マイクロアレイ(遺伝子の塩基配列は調べない簡易的な方法)やマルチジーンパネル(特定の疾患に見られるタンパク質の異常だけの検査)の2倍の診断率があり、CTスキャン、MRIでは見過ごされる病変も発見できる。

2.ゲノムシーケンシング
・患者の全遺伝情報(ゲノム全体)を網羅的に高解像度で解析する検査。
・タンパク質の設計図があるエクソームだけでなく、それ以外の部分も含めた全ての遺伝子配列を網羅的に調べることで、疾患の原因となる遺伝子変異をより詳細に調査。
・ゲノム全体を調べるため、既知・未知に関わらず、疾患の原因となる遺伝子変異を検出できる。
・高い精度と豊富な情報量により、診断の精度を向上させるだけでなく、複雑な症例や未解明の疾患の研究にも役立つ。
・難治性疾患や稀少疾患の診断に利用され、治療や管理に重要な情報を提供し、臨床応用を拡大。
・血液だけでなく、口腔スワブ(頬の粘膜)からもDNA採取が可能で、特に小児患者に適している。
・核ゲノムだけでなくミトコンドリアのゲノムシーケンシングを含み、利用可能な中で最も包括的な遺伝子検査となっている。

3.高速ゲノムシーケンシング
・検査・解析時間が従来よりも大幅に短縮され、結果は最短5日で提供さる。
・全ゲノムを網羅的に解析し、従来のパネル検査(特定の疾患に限定した検査)やステップワイズ検査(特定の遺伝子の個別検査)よりも幅広い遺伝的変異を一度に検出。
・従来の検査手法では見逃されがちな症例の診断率を大きく高め、特に原因不明の重症新生児・小児の診断と治療に大きく貢献。

4.超高速ゲノムシーケンシング
・検体到着から最短2日で臨床的に有用な一次報告を上げ、最終報告は最大10日以内に提供。
・核ゲノム全域と同時にミトコンドリアゲノムの解析・欠失検査も実施し、エクソーム解析では検出できない変異もカバー。
・遺伝性疾患の診断、特にNICU(新生児集中治療室)のような緊急性の高い状況で、迅速な診断が求められる場合に役立つ。

5.ターゲットバリアント検査
・すでに家族内で見つかっている特定の遺伝子変異(バリアント)や既知の疾患に関連する変異について、その有無を調べる検査。
・全遺伝子の解析に比べ、コストが低く、結果も早く得られる。
・既知の疾患に関連する遺伝子変異を集中的に調べるため、結果の正確性と信頼性が高い。

こうしたゲノム検査に加えて、同社は2025年に5月初旬にFabric Genomics社を買収し、今後はAI(人工知能)を活用したゲノム解釈プラットフォームを導入していく予定です。
ゲノム解釈プラットフォームとは、ゲノム(全遺伝情報)の塩基配列のデータをAIで解析し、どのような遺伝子変異があるか、またそれが病気や体質にどのように関係するかを評価・解釈するためのシステムです。

AIを駆使した自動化と効率化は、大量の遺伝子データを迅速かつ正確に解釈し、診断までの時間短縮とコスト削減を実現します。
同社独自のゲノムデータベースと、AI・クラウドプラットフォームの組み合わせにより、新たな疾患の理解と発見が促進されると期待されます。
また、検体の検査・解析だけでなく、他施設が行った遺伝子データの“解釈のみ”を行うサービスも提供予定です。

米国において、エクソーム・ゲノムシーケンシング検査は、もはや特殊な検査ではなく、標準治療と見なされており、一部の疾患では第一の選択肢として推奨されています。
迅速で正確な診断により、病気の進行を防ぎ、タイムリーな治療法を提供し、医療介入の頻度を減らします。

これは、患者ケアの向上に貢献すると同時に医療費の削減にもつながり、患者と医療システム双方に大きなメリットがあります。
実際、治療方針の決定や不要な治療の回避、入院期間の短縮に貢献していて、1人あたり最大約1万5000ドルの医療コスト削減の効果があるとされています。

現在、高齢化、疾病の多様化、慢性疾患の増加、医療の高度化などで増大する医療費は各国で問題になっており、有効な削減手段が模索されています。
たいていの削減策は患者のケアサービスの低下や支払額の増大など、患者に負担を強いるものばかりで国民の反発を買うことが多く、政治的に実現は困難となっています。
日本でも医療費削減は国民の受けが悪く、先日も高額医療費の上限引上げ案が頓挫するなど、政府も四苦八苦しています。
その点、ゲノム検査による医療費削減は、行政だけでなく患者にもメリットがあるという点で非常に優れていると言えます。

各国が悩むこの大きな問題の解決策として、ゲノム検査の導入が進み、市場が拡大していくことは確実と思われます。
同社は米国最大の希少疾患データベースを持ち、他のどの商業検査機関よりも多くの新生児のスクリーニングを行った経験があり、ゲノム検査市場の80%を占めるなど、この分野で圧倒的なリーディングカンパニーです。
今後も確実な需要な高まりに乗り、グローバルなゲノム医療の発展を牽引し、成長していくことになるでしょう。

会社ウェブサイト
https://www.genedx.com/

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